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柴崎岳がテネリフェのヒーローになった夜。日出ずる国の司令塔が灯した希望の光

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「次の試合でもゴールを決めたい」

昇格プレーオフ準決勝で貴重なゴールを奪った柴崎岳
昇格プレーオフ準決勝で貴重なゴールを奪った柴崎岳【写真:Getty Images】

 テネリフェの5月度月間最優秀選手を受賞した司令塔には、地元メディアも賛辞を惜しまない。『エル・ドルサル』紙は「日出ずる地(日本)からやってきて、チームが必要としていた光をもたらした。重要な日にヒーローとなり、非常に完成度の高いサッカーを生み出していた」と柴崎を大絶賛。採点でも10点満点中9点を付けた。

 ホセ・ルイス・マルティ監督も「ゴールを決めたのは彼(柴崎)だったが、努力は全員のもの」と述べつつ「素晴らしいクオリティを有している。どんな時でもナーバスになることがなく、スペースにいる選手を見つけ、落ち着いてプレーしている」と、柴崎のプレーに賛辞を送った。

 地元メディア『デポルプレス』が伝えたところによれば、柴崎本人は「すごく嬉しいですが、大事なのは次の試合に勝つこと」といたって冷静。日本で見せていた常に淡々と構えるクールな姿が戻ってきた。

「今日のようなパフォーマンスを見せられるように練習を続けていく必要があると思います。最大限の力を出し切りたい。次の試合でもゴールを決めたいです。今日はスタジアムが満員になりましたが、(決勝でも)今日のようにファンが助けてくれることを願っています」

 地元のファンにも団結を訴え、テネリフェで自身への評価を確立した柴崎。次なる相手のヘタフェは、移籍後初めてベンチ入りした試合で対戦したチームでもある。その時出番がなかった悔しさと、スペインで積み上げた自信のすべてをぶつけて1部昇格の切符を勝ち取りたいところだ。

 来季の行く末を占うヘタフェとの昇格プレーオフ決勝は、現地時間21日にテネリフェのホームで1stレグが行われ、同24日に敵地で2ndレグに挑む。今こそ持てる力のすべてを解き放ち、柴崎が真の意味で1部復帰の立役者となる時だ。

(文:舩木渉)

【了】

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