フットボールチャンネル

Jリーグ 7年前

磐田・アダイウトンが破った殻。日本で飛躍的な成長、ブラジル人アタッカーの地道な努力

text by 青木務 photo by Getty Images

ブラジル人選手が日本で遂げた飛躍的な成長

 堅守をベースに前線の選手をシンプルに活かすという戦い方がハマる中、アダイウトンは“駒”としてのミッションを遂行しながら気持ちよくプレーしている。守備時の持ち場が明確になったことで役割が整理され、攻撃に出た際の迫力で相手に脅威を与えている。『今、何をすべきか』がわかっているから局面、局面で100%の力が発揮できる。

「自分だけの努力ではなく、周囲の協力があってこその自分の結果だと思う。努力は嘘をつかないな、としみじみ感じている。本当にやり続けることが大事だと思うと同時に、これで天狗にならず地に足をつけてこの先を突き進んでやっていきたい。

 これからもきっとハードなマークが来るのかなと思っているけど、自分はスピードと強さがある選手だとわかっている。その中で、シンプルにボールを叩くなり裏へ抜けるなりと、そういうプレーを心がけていけば、フリーでボールをもらった時には果敢に前に突き進むことができる。そうすれば相手は困惑や迷いが出てくると思う。今後もそういうところを突き詰めたい」

 FC東京戦後、3戦連発に浮かれることなく気を引き締めていた。

「ここから2、3年で十分にサッカーを覚えていけばいい」という名波監督の下、ブラジルからやって来たひとりのプレーヤーは日本で飛躍的な成長を遂げていると言えるだろう。

 ベンチを温める日々が続いても焦ることなく自身と向き合い、捲土重来の機会をうかがってきた。壁を打ち破り重要な戦力へと返り咲いたアダイウトンは改めて、サックスブルーに欠かせない存在となった。

(取材・文:青木務)

【了】

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top