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Jリーグ 7年前

杉岡大暉、U-20W杯で花開いた新たな可能性。完璧を目指す若きユーティリティの探求

text by 舩木渉 photo by Getty Images

常に課題を見つけ、改善する。杉岡のブレない姿勢

 イタリア戦とベネズエラ戦で、杉岡が対面したのはそれぞれのチームのキーマンだった。前者は大会得点王に輝いた快足FWリカルド・オルソリーニ、後者はグループステージで4得点を挙げていたFWセルジオ・コルドバ。身体能力では圧倒的に相手に分がある状況である。

 その2人と対峙して、杉岡は「強気にやれば防げる部分があったので、そういうところは本当に勉強になったし、本当にいい経験になりました」と語っていた。対人守備や攻撃参加への手応えも口にしていた。

 一方、世界の舞台で慣れない左サイドバックを経験し、運動量やクロスの質などに改善点を見つけていた。それと同時に「自分がサイドを制圧するくらいになって、攻守にアグレッシブにやれるようにしていきたいという思いは出てきました」と、選手としてのビジョンに明らかな変化が生じていた。

 Jリーグに戻った杉岡は、帰国直後のV・ファーレン長崎戦からリーグ戦4試合すべてに先発出場を続けている。その中で、U-20W杯前に務めていた3バックの左センターバック以外に、4バックにおける左サイドバックもこなし、ついに25日の横浜FC戦で3-4-2-1の左ウィングバックとして起用された。

「前半は入り方があまりよくわからなくて、ちょっと浮き足立っちゃう時間があった」と、初めてのポジションに難しさを感じたようだが、これまでと変わらぬ積極性を発揮して攻守に大きく貢献していた。攻撃面では積極的なドリブルやクロスが目立ち、守備面でもほぼミスなしと言っていい出来だった。

 とはいえ杉岡本人は「攻撃だけじゃなくて守備でもボールを奪えるくらいになりたいと思っている。守備に関してはまだまだ奪えていないので、そこは課題」と、また新たな改善点を見つけたようだった。

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