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Jリーグ 7年前

杉岡大暉、U-20W杯で花開いた新たな可能性。完璧を目指す若きユーティリティの探求

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「いい意味でのユーティリティプレイヤーになれば面白い」(チョウ監督)

杉岡
杉岡大暉は湘南ベルマーレで様々なポジションをこなし、日々評価を高めている【写真:Getty Images】

 シーズン開幕からレギュラーとして起用し続けてきた指揮官にとって、いまの杉岡の成長は想定の範囲内だったのかもしれない。18歳とは思えない落ち着きを備えるルーキーDFの「ひとつ間違いをした後に次を起こさない」吸収力の高さを指摘する。

 そしてチョウ監督は「もしかしたらボランチとかもできるので、いい意味でのユーティリティプレイヤーになれば面白いと思いますし、そういうのは今、ナショナルチームで求められていることだと思う。こじんまりしないでそういう選手に成長してほしい」と、杉岡のさらなる成長に大きな期待を寄せている。

 日進月歩の成長を遂げる杉岡は今、U-20W杯を経て理想の将来像を追いかけている。

「攻撃ではアシストとか得点とかに絡んで、でもそれだけにならず守備でもしっかりボールを奪ったり、そうやって攻守両面に関わり続けられるようになりたい。サイドバックでもセンターバックでも、より上のレベルでやるのはひとつの目標です。左利きのそういう選手は少なく、そこは自分の武器でもあると思うので、もっと伸ばしていきたいと思います」

 話を聞いていると、一つひとつの細かいプレーの質にこだわりを持っていることが伝わってくる。クロスの質や、ドリブルの使いどころ、守備における寄せの強さや、守備対応における様々なパターンを想定しているようだ。多様なフォーメーションやポジションに適応しながら、それぞれの役割で完璧を追い求めている。

 高度な戦術理解力をベースに18歳で世界を経験して意外な自分の長所を見つけ、トップレベルの戦いの中で複数のポジションをこなし、細かな改善点を潰しながら選手としての総合力を着実に向上させている。杉岡が目指すのは、どんな役割でも完璧に務め上げる完全無欠のユーティリティプレーヤーなのかもしれない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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