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「勝てる気しない」。柏木陽介、浦和不振の原因つかめず…失点減へチームに奮起促す

text by 編集部 photo by Getty Images for DAZN

柏木陽介
浦和に所属する柏木陽介【写真:Getty Images for DAZN】

 浦和レッズは5日、延期されていた明治安田生命J1リーグ第13節で川崎フロンターレと対戦し、1-4で敗れた。

 前半は普段の3バックではなく、4バックで挑んだ浦和は守備が機能せず2失点。選手交代などで3バックに戻した後半には、退場者も出して終わってみれば4失点の大敗を喫した。破壊力のある攻撃が武器の川崎Fに対し、4バックは守備を意識した戦術だったが、“奇策”は“失策”になってしまった。

 中盤で先発出場した浦和の柏木陽介は、4バックが「ほぼぶっつけ本番」だったと話す。それもそのはずで、前の試合から川崎F戦まで中3日しかなく、準備期間はほぼなかった。

 しかし、「難しさはあった」とはいえ問題は別のところにあると柏木は語る。「シンプルに気持ちが入っているけども、空回りにしかなっていない」と、チーム全体の意識の問題を指摘した。

「失点をしてしまった時に、やっぱりどこかでチームとしての落ち着きがなくなってしまうところはあった」

 浦和の今季の失点数はすでに「29」となり、昨季全34試合で記録した「28」失点を前半戦の17試合だけで超えてしまった。守備に問題があるのは明らかだろう。ただ、どこに問題があって失点がかさんでいるのか柏木自身は十分に理解できていないようだ。

「今日に関しては良いパスで崩されたところはあったと思うんですけど、正直それ以外(の試合では)ほぼ『なんで?』という失点だったと思うので、それは本当に1人ひとりの問題なのかなと…そういう風にしか思えない。人が足りているのにやられているとか、そういう状況ばかりだなと」

 昨季のチームとは明らかに違う。優勝争いに絡んでいた昨季は「負ける気がしない中でサッカーができていた」という。その時の感覚をチームの全員が思い出さなければならないというのが柏木の考えだ。

 では、「勝てる気はしていない。チームとしてのサッカーのやり方をみんなが忘れてしまっている」「やっている選手たちが今、試合中に顔に覇気がない」というほどまでに苦しい現状をいかに脱していくべきなのか。浦和の背番号10は語る。

「チームとしてのミーティングもそうだけど、1人ひとりがもっと、去年の映像とかでもいいから、しっかり見て確認していってもいいのかなと。それくらいしないといけない。読まれてきているというのはもちろんあると思うんだけど、そういう時にもっと流動性を持った動きをするとか。少しずつ変えながら結果を残してきたのが今までのレッズだと思うので、そこらへんを模索しながら、模索している時間はないんやけど、1人ひとりが球際をまず戦って、そういうところで見つけていけたらいい」

「ただなんとしてもがむしゃらに戦って勝ち点を取りにいけるような状況を作りたい」と述べる柏木の顔は、川崎F戦を経て何かが吹っ切れたようだった。まずはチーム全体で良かった頃の感覚を取り戻し、9日の新潟戦で復調のきっかけをつかみたいところだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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