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【戸田和幸の眼】マンU、負傷者続出もEL制覇。時の流れを象徴する新体制1年目【16/17シーズン査定】

text by 戸田和幸 photo by Getty Images

ルーニーは限界? 新時代の到来を感じさせる若手の台頭

ラッシュフォード
ウェイン・ルーニー(右)の衰えが目立ち、マーカス・ラッシュフォード(左)が台頭。時の流れは残酷だった【写真:Getty Images】

 (ウェイン・)ルーニーは既にストライカーではなくなったと見ています。

 長きに渡り多くの得点を挙げてきたルーニーのイメージを重ね見ているかもしれませんが、残念ながら一瞬のスピードは明らかに衰えましたし、ゴールを意識したプレーの選択の回数もだいぶ少なくなりました。

 止める・蹴るといった技術や視野の広さは本当に素晴らしいものを持った選手ですし、中盤でどれくらいやれるか。今後は監督が彼に何を期待し、どのポジションで起用するかが重要となりますが、一時代を築いた選手が徐々に存在感を失くしていく姿を見るのはやはり残念です。

 しかしマンチェスター・ユナイテッドというクラブが常に世界のトップを争うことを目標としているクラブである以上、ウェイン・ルーニーというイングランドサッカーの歴史に燦然とその名を残す選手であっても主役を張ることが出来なくなってしまった以上はそこからどかなければならない、それがこの世界の常です。

 ルーニーに代わる今後のクラブの未来を背負って立つ選手としてはマーカス・ラッシュフォードの名前が挙がると思います。

 鮮烈なデビューを飾って以降やや停滞し、なかなか得点を挙げることも出来ずサイドで起用されることも多かったですが、(ズラタン・)イブラヒモビッチが怪我をしたことにより1トップで使われるようになって以降、その圧倒的なスピードとフィニッシュのセンスで再び輝き始めました。

 彼はとにかく速い。それが一番の魅力であり絶対的な武器です。あれだけのスピードがあればワンステップ踏むだけでも相手のDFは下がりますからね。

 そしてラッシュフォードは速いだけでなく、キックのうまさや、ずる賢さも兼ね備えています。体つきはまだまだ細いですが、無限の可能性を秘めている選手であることは疑いようがありませんし、今後の成長が非常に楽しみです。

(解説:戸田和幸/構成:フットボールチャンネル編集部)

【了】

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