広島、約10年親しんだ“可変システム”との決別。J1残留に向け採用された4バック

独自の「可変システム」で黄金時代を築いたサンフレッチェ広島が、新たな一歩を踏み出した。J2降格圏に低迷する不振の責任を取り、今月3日に電撃退任した森保一前監督の後任として招聘されたヤン・ヨンソン新監督が、初陣となる26日のFC東京とのYBCルヴァンカップ・プレーオフステージ第2戦で「4‐2‐3‐1」を採用。試合は0‐1で苦杯をなめ、2試合合計で0‐2のスコアで敗退したが、過去の栄光を断ち切り、クラブ一丸となってJ1残留を含めた未来へ向かう姿勢を力強く示した。(取材・文:藤江直人)

2017年07月27日(Thu)12時05分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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4人のディフェンダーが並んでいた最終ライン

26日のFC東京戦で4バックを採用したサンフレッチェ広島
26日のFC東京戦で4バックを採用したサンフレッチェ広島【写真:Getty Images】

 キックオフを告げるホイッスルを待つ、敵地・味の素スタジアムのピッチ。サンフレッチェ広島の最終ラインには、アウェイ用の黄色いユニフォームに身を包んだ4人のディフェンダーが並んでいた。

 26日に第2戦が行われた、YBCルヴァンカップのプレーオフステージ。ノックアウトステージに進む最後の1枠を決める一戦でひとつの歴史が実質的な終焉を迎え、そして新たな扉が開かれた。

 サンフレッチェはJ2を戦っていた2008シーズンの途中から、「3‐4‐2‐1」をベースとしながら攻撃時には「4‐1‐5」へ、守備時には「5‐4‐1」となる独自の「可変システム」で戦ってきた。

 ボールをもったときには、前線へのパスコースがいくつも生まれる。翻って相手ボールのときには、自陣に強固なブロックを形成する。攻守両面で数的優位な状況を作り続け、対戦相手を凌駕してきた。

 2012シーズンから指揮を執った森保一監督のもとでさらに磨かれた「可変システム」は、4年間で3度のJ1制覇となって結実。リーグを代表する強豪の一角に、サンフレッチェを仲間入りさせた。

 迎えた今シーズン。サンフレッチェは開幕からまさかの低迷を強いられる。前半戦であげた勝利はわずか2つ。下を見ればアルビレックス新潟しかいない、J2への降格圏となる17位で折り返した。

 直後の今月4日に、森保監督の退任が電撃的に発表される。クラブ側は慰留に努めたが、プロとして結果を残せなかったことに対して責任を取りたい、という決断を翻意させることはできなかったとされる。

 新たに招聘されたのは、クラブの黎明期にコーチ及び選手を務めたOBでもあるヤン・ヨンソン監督。スウェーデン生まれの57歳の新指揮官は、15日の就任会見でこんな言葉を残している。

「(最終ラインを)5バックにすると、どうしても前線が1人になって寂しくなってしまう。もちろんいまのシステムでいいところもあるが、悪いところも出てくる。コーチングスタッフといろいろ相談しながら決めていくが、シチュエーションによっては4‐2‐3‐1や2トップにする可能性も考えている」

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