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小林祐希が明かす本音。「この人、すげえなと思った」中村俊輔。東京Vへの偽らざる野望【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Wataru Funaki, Getty Images

東京Vへの思い。「いつかおれが社長になって……」

東京Vのアカデミーで育ち、若くしてキャプテンマークを巻いた小林
東京Vのアカデミーで育ち、若くしてキャプテンマークを巻いた小林【写真:Getty Images】

――まあ、ヴェルディでは6月10日の名古屋グランパス戦で即席のサイン会を開いてくれて。あれ、たくさんの人たちが喜んでいました。

「Jリーグの今後を考えて、東京のクラブがビッグにならないと面白くないでしょ。そのために自分が多少なりとも手伝えることなら。おれと光司の野望は、ヴェルディを最終的に自分たちで」

――ん、なんの話?

「ふたりで一緒に風呂に入りながら話すんです。いつかおれが社長になって……」

――出たぞ、買収の計画だ。

「光司はテキトーになんかやって」

――テキトーになんかってなんだよ。

「監督はそうだな、(高木)善朗は性格的に無理っぽいか、といった話を湯船に浸かりながら。ユースの同期だったヤツらが、いまはそれぞれ社会で揉まれ、いずれはその道のプロフェッショナルになります。個人が実力をつけ、また集まったら絶対クラブは強くなる。おれは上から自由にバンバン言って、みんなにやらせる。そういう帝国」

――どういう帝国だ。君、そのへんの王様気質、発想はユースの頃から一切変わってないね。

「この世界、イメージしたことしか起きないから。おれら、ビジネスマンとしてはアマちゃんですよ。それはわかってます。いろんな大人がああだこうだ言ってきます。でも、こうして動きながら少しずつ形になっている気はしてて、いずれはみんなで一緒に仕事をできるようになりたい。いまはひとつずつ作り上げていく過程が楽しい」

――現状、具体的には?

「これから会社を立ち上げます。なんでもできるオールジャンルの会社を。光司とはそこで一緒にやっていきます」

――話は戻って、今回山形県の農業生産法人・黒澤ファームを訪ねたとか。

「毎月、そこの有機米『夢ごこち』をオランダに送ってもらっているんです。むちゃくちゃ美味しいですよ」

――オランダでお米のありがたさに気づいた?

「向こうに行って、1ヵ月間まったく米を食べられなかった。パスタとパンしかなくて参りましたね。それまで米はあって当たり前だったけど、大切さを思い知らされました」

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