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小林祐希が明かす本音。「この人、すげえなと思った」中村俊輔。東京Vへの偽らざる野望【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Wataru Funaki, Getty Images

人に助けてもらっている以上、結果を出す責任を感じる

――アスリートと食は不可分の関係です。

「プロになってひとり暮らしを始め、21歳くらいまで生活面はひどいものだったと思います。朝食を食べる習慣がなく、せいぜいゼリー飲料と塩むすびを口に入れる程度。試合に出られなくてやさぐれていた時期は、外をふらついて夜の12時まで家に帰ったことがなかった。

 このままではダメだと変わろうと思ったんですよ。2013年だな。体重を一気に増やしたら、そのシーズンはけがの連続。肉離れを右足2回、左足2回、計4回やりました」

――よくもまあ、そんなに。

「その後、鈴木さんと奥さんにサポートしてもらうことになって、きちんと朝ごはんを食べるようになりました。合鍵を渡し、毎朝うちまで来てもらいました。同時に生活面も変わりましたね。6時半にチャイムが鳴るから、10時過ぎには寝なければと。人から変えてもらったようなもんです。自分の力だけではどうにもならなかった」

――その効果は?

「4年間、故障ゼロですよ。練習も休んでいない。一度打撲でリカバリーを回避しただけ」

――もっと早く生活面を見直していればとは?

「そこがおれの気づくタイミングだったということ。21歳で学び、少しずつ変わり始めた。人に手助けしてもらっているから、これで自分が結果を出さなかったら申し訳が立たない。食い逃げみたいな」

――ではないですけどね。

「そういう意味でも責任とプレッシャーを感じて、プレーにいい影響があったと思います」

――いろんな人たちに助けてもらって。ひとつの小林祐希プロジェクトだ。

「そうなってますね。感謝しています」

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