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小林祐希が明かす本音。「この人、すげえなと思った」中村俊輔。東京Vへの偽らざる野望【The Turning Point】

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Wataru Funaki, Getty Images

サッカーと直接関係がないことも知りたい

――ところで、先ほど話していた飛騨高山にはどんな用向きが?

「日本酒です。ある知り合いの方が紹介してくださって、舩坂酒造店という酒蔵へ。どうやってお酒が造られているのか興味があった」

――ほう、日本酒ときましたか。

「今回、『オリジナルの銘柄をプロデュースしませんか?』というお話をいただき、喜んでやらせてもらいました。『左命 あくしゅ』限定300本。ラベルをどうするか、どんな箱にしようか、ボトルの色選びなど、みんなで話し合いながらひとつのものを作り上げていくのが好き。おれ、サッカーに直接的な関係がなくても、いろいろなことを知りたいんです。

 ほかのところでは陶芸や茶道も体験させてもらい、日本の伝統文化にたくさん触れられました。黒澤ファームの皆さんと過ごした夜も楽しかったなあ。ほかの選手たちは女の子とコンパだろうに、おれと光司は農家のおじさんたちと朝まで。カラオケじゃなくてナマオケですよ。バンドがいて、演奏してくれる。ただし、曲数は200くらいしかない」

――ビタイチ興味ありませんが、一応訊いときます。そこで披露した渾身の一曲は?

「おれはドラムを担当していたんで」

――は? ドラム? 叩けるの?

「ふつうに8ビートくらいだったら」

――驚いたね。バンドをやっていた話なんか聞いたことがない。

「中学生のとき、ゲームセンターで」

――おいおい、ドラムなめんなよ。要するにそれ『太鼓の達人』だろうが。

「基礎はそこでだいたいは」

――この世にだいたいの基礎なんかあるか。ところで小林選手、僕たちはサッカーの話をほとんどしていない。このままではまずいことになる。

「いいですよ。しましょう、サッカーの話を」

【後編に続く】

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