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小林祐希が明かす本音。「この人、すげえなと思った」中村俊輔。東京Vへの偽らざる野望【The Turning Point】

サッカー選手の旬の時期は人ぞれぞれ。若くして豊かな才能を満開にする花があれば、辛抱強く力を蓄え、やがて咲かせる大輪の花もある。躍進につながるターニングポイントに興味津々だ。
今回は特別編。これまで登場してもらった晩熟型のプレーヤーではなく、育成年代から将来を嘱望されてきた小林祐希選手の話を聞いた。昨年8月、エールディビジのSCヘーレンフェーンに移籍し、定位置をつかみシーズンを戦い抜いた。この1年でプレーはどう進化したのか。異国の地での生活は、内面にどのような変化を及ぼしたのか。そして、この先の展望やいかに。(取材・文:海江田哲朗)

シリーズ:The Turning Point text by 海江田哲朗 photo by Wataru Funaki, Getty Images

家族と会うのもままならなかったシーズンオフ

オフ期間中、都内某所でインタビューに応じてくれた小林祐希
オフ期間中、都内某所でインタビューに応じてくれた小林祐希【写真:舩木渉】

――エールディビジ16‐17シーズンが終了し、このオフはずいぶんと忙しい毎日を過ごされたそうですね。

「5月26日に帰国して、東北めぐりに飛騨高山、ほかにもあちこち行きました。いろんな人と会って、名刺を100枚くらい交換しましたね」

――目的は?

「ふだんからお世話になっている方々に、お礼も兼ねて会いに行くというのがひとつ。そうして動いているうちに、知り合いが興味深い話を持ってきてくれて、さらにスケジュールがタイトに。おかげで家族と会うのもままならず、今日でまだ2回目です」

――ハイ、まずそこね。こうして話している僕らの向こうでは、小林選手のお母さまが微笑んでいて、その隣には美人姉妹。栄養管理の面でサポートする鈴木稔唯さんがいて、もうすぐ仕事のパートナーである高野光司さん(東京ヴェルディユース時代からの盟友。鹿児島ユナイテッドFCでの2016シーズンをもって現役引退)が到着する。

 なにこの状況。にぎやかにもほどがありますよ。僕はそろそろライター生活20年になりますが、こんなインタビューは初めてです。

「そうですか」

――懸念されることがあります。家族の前でカッコつけて、話すことが変わってきませんか?

「変わってきませんよ。いつどこで誰がいようと、おれの話すことは変わらない」

――ああ、そうかい。

「どうぞ続けてください」

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