着々と水面下で進んでいたネイマールのパリ移籍
ネイマールのPSG移籍が実現してしまった。
前々から噂はあった。その噂もこの夏は、より一層、現実味を帯びていた感じはあった。それでも数週間前にフランスのスポーツサイトで見たアンケート結果では、『ネイマールのPSG入りは実現する』と答えていたのは20%にも満たなかった。期待はしつつも、『絵に描いた餅』、そんな印象を多くの人がもっていたのだ。
しかしPSGの親方カタール勢は、以前からネイマール獲得に必死だった。正確には、ネイマールを筆頭にクリスティアーノ・ロナウド等、とにかく“トロフィ・プレーヤー”と一般的に言われる、名実ともにトップクラスで、いるだけでクラブに箔がつく超ビッグスターの獲得に躍起だった。
昨シーズンは若手集団のモナコにリーグタイトルを奪われたばかりか、追いつけ追い越せを目標としているFCバルセロナと対戦したチャンピオンズリーグ、ラウンド16でも、ホームで4-0と快勝しながらカンプノウで6-1と大敗、世紀の大逆転劇で敗退を喫するというとてつもない屈辱を味わった。
オーナーたちは「いくら使ってでもいいからネイマールを連れてこいっ!」とアル・ケライフィ会長に発破をかけたことだろう……。
PSGのプレスルームには、常連のアラブ系記者グループがいて、彼らはカタール筋に関して独自の情報を持っているのだが、その中の一人ナセールが4月頃だったか、こんなことを言っていた。
「ネイマール側は先日カタール王室のメンバーと面会したと王室に近い筋から聞いた。すでになんらかの約束を取り付けたそうだ。私は来季(17-18シーズン)のネイマール加入はかなり高い確率であるとみている」
その時は半信半疑だったが、これまでも的をつくことの多かったナセール情報。ひょっとしたら?と思ったら、現実のものとなった。アラブ・コネクション恐るべしだが、やはり着々と、水面下でネイマール→PSG構想は進んでいたのである。