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日本代表 7年前

長谷部誠とハリルの絆。日本代表不動のキャプテン、代えの利かない大黒柱が胸中に抱くもの

text by 藤江直人 photo by Getty Images

ハリルの“真骨頂”ともいえる一面を感じた90分間

 果たして、昨年11月のサウジアラビア代表とのワールドカップ・アジア最終予選第5戦以来となる代表戦のピッチは、「個人的なパフォーマンスに関しては反省点が多かった」と苦笑いする。

「特に前半でボールを簡単に失う場面が3、4回あったし、ああいうところは危ない場面につながるところでもあるので。後半は多少修正して、という部分はありましたけど」

 それでもフル出場を果たしたオースラリア戦は、ハリルホジッチ監督の“真骨頂”といってもいい側面を感じ取った90分間でもあった。

「非常に苦しいゲームでしたし、そのなかでも自分たちも我慢して、効率よく点を取った。決して美しい、綺麗なサッカーじゃないかもしれないけど、短い時間のなかで戦術的な部分を詰め込んで、その結果がこうやって出た。サッカーとはこういうものなのかなと、あらためて感じています」

 ジーコジャパン時代から日の丸を背負ってきた、百戦錬磨のベテランをして「決して美しい、綺麗なサッカーじゃない」と言わしめた戦い方こそが、ブラジル大会後の日本に求められたものだった。

「ポゼッションサッカーを突き詰める部分で、どのような状況になろうとオーストラリアはつないでくるというスカウティングもありました。その意味では相手にボールをもたせて、そのうえでボールを奪う狙いどころを定めて自分たちからプレッシャーをかける、という部分では上手くいったのかなと」

 オーストラリアがアジア王者として出場し、ドイツ代表に惜敗し、カメルーンおよびチリとは引き分けた6月のコンフェデレーションズカップを、ハリルホジッチ監督はロシアへ足を運んで視察している。

 4バックから3バックへとスイッチし、体格を生かした従来のロングボール戦法を捨て去り、長い目で見て生まれ変わるために戦術の転換を図っているオーストラリアを文字通り丸裸にした。

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