フットボールチャンネル

日本代表 7年前

サウジ戦、日本の鍵を握る選手起用。長谷部不在のボランチが未来への道標に

text by 元川悦子 photo by Getty Images

山口・井手口コンビの可能性。サウジ戦の最重要ポイントに

長谷部誠
日本代表は長谷部誠だけに頼っているわけにはいかない。ボランチに新世代の台頭が待たれる【写真:Getty Images】

 とはいえ、本人も言うようにあくまで本職はボランチ。「あそこのポジション(インサイドハーフ)はあんまり得意じゃない。この前はたまたまです」と井手口は前回のブレイクを真の力だとは考えていない様子だ。自分自身が今の日本代表でどこまでやれるかは、ボランチでプレーしてみなければわからない…。それが彼の本音かもしれない。

 所属のガンバ大阪で運動量豊富な今野泰幸、倉田秋らと組んで自らのアグレッシブさをより強く押し出しているように、代表でも山口とコンビを組めば、より大胆に前後左右に絡んで輝きを放つことができるはず。2人が強固な関係を構築してくれれば、かつての遠藤・長谷部に匹敵する日本の大黒柱になる日も近そうだ。それだけのインパクトをサウジアラビア戦で見せてくれれば、ロシアでのW杯本大会に向かうチーム全体に大きな勢いが出てくる。ハリルホジッチ監督の求めるハイインテンシティーのサッカーを完成形に近づけていくためにも、新たなボランチコンビの機動力は必要不可欠だ。

「さらに上を目指すために? 守から攻への切り替えだったり、攻撃から守備への切り替えだったりをもっと向上させないと。この前はイージーなパスミスも多かったので、ボランチはそういうミスをほぼゼロにしないと。今のままじゃ本大会は絶対にムリだと思うので、(この9ヶ月間で)守備も攻撃も高いクオリティでプレーできるように成長していきたいです」と井手口は考えながら1つひとつ言葉を絞り出したが、そうやって日進月歩でレベルアップしていければ、日本の看板選手の1人になれる可能性は大いにある。

 それだけのポテンシャルを前回のゲームで垣間見せたのだから、流れを加速させていくしかない。サウジアラビア戦の成否を左右するのは長谷部不在のボランチ。そういっても過言ではないくらい、彼らの背負う仕事は重要性が高いのだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top