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Jリーグ 7年前

「ボコボコにされてよかった」。横浜FMの扇原貴宏が3失点完敗でも下を向かない理由

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「ボコボコにされてよかったんじゃないですか?」(扇原)

大島僚太
大島僚太の先制ゴールが試合を大きく動かした【写真:Getty Images】

 横浜FMは最後に敗れたJ1第10節のサガン鳥栖戦から14戦無敗。その間に喫した失点はわずか「8」のみ。複数失点したのは1試合だけだった。先に1点取れば相手は焦る…川崎Fのゲームプランがハマったことは扇原の言葉からもうかがえた。

「(先制点を奪われるのが)一番、正直キツかったので、それだけは避けたかった。押し込まれてもなんとか我慢して、ゼロで最低前半は終えたかった」

 一方で扇原は「ここまでボコボコにされてよかったんじゃないですか?」と、完敗にもかかわらずポジティブな姿勢を見せる。なぜだろうか。

「3失点とも少しミス絡みというか、1点目はクリアが小さくなったりとか、3点目も(ボールの)失い方が悪かった。そういうシンプルなことをしっかりと修正して、1試合負けることもあると思うので、メンタル的にここで落ちることなく、しっかりと残り9試合に向けて切り替えてやれればいい」

 どんなに強いチームもいつか負ける。永遠に勝ち続けることは不可能である。その負けをしっかりと受け入れ、改善して次に繋げられるか。負けをただの負けに終わらせないことが重要だとチーム内で共有し、自分たちの積み上げてきたものを信じて下を向かずにやり続けられるかが次節以降に向けてのポイントになる。

 もちろんリーグ戦、天皇杯、YBCルヴァンカップ、ACLと4つのタイトルを狙える位置に川崎にとって重要な「1勝」であることに違いはない。それと同時に横浜FMが再び浮上するためにも重要な「1敗」となった。90分間を終えた後の結果にこそ明暗分かれたものの、両チームにとって“ポジティブ”な一戦だったと言えるだろう。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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