武器が「インサイドキック」? デ・ブルイネの特殊性。守備の監視かいくぐった「1人時間差」【西部の目】

「インサイドキック」ができないサッカー選手はいないであろう。それゆえ、それは武器として理解されにくいかもしれない。だが、誰もができるキックであっても、同じ水準で決してできないものであれば話は変わってくる。マンチェスター・シティに所属するケビン・デ・ブルイネ。彼のインサイドキックにはセットプレー同然の威力が備わっている。(文:西部謙司)

2017年10月04日(Wed)10時19分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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シティに必要だった「質的変化」。ラインをスキップするパス

マンチェスター・シティのMFケビン・デ・ブルイネ
マンチェスター・シティのMFケビン・デ・ブルイネ【写真:Getty Images】

 チェルシーとマンチェスター・シティの対戦は、およそ型どおりに推移した。ただ、どちらも想定内ではあるが思いどおりではない。

 チェルシーにはボールを奪う力がある。シティに攻め込まれるのは想定内、そこからカンテ、バカヨコらのボール奪取力を使って攻守をひっくり返して速攻へ持ち込みたい。ところが速攻のほうは不発だった。

 一方、シティもボールは支配できていたものの、なかなかフィニッシュまで結びつけられない。チェルシーのカウンターは封じていたが自分たちも決め手を欠いていた。

 どちらのゲームとも言えないが、どちらも自分たちの試合にはなっていた。

 先の動いたのはチェルシーのコンテ監督だった。34分にモラタが負傷し、ウィリアンに交代。後半から中盤中央の配置を少しだけ変更している。前半はバカヨコが中央、右にカンテ、左にセスクだったのを、バカヨコとセスクの位置を入れ替えた。シティのビルドアップに対して、セスクを頂点とした三角形ならシティのトライアングルにピタリと合わせられる。ただ、それで劇的に何かが変わったわけではない。

 シティに外見上の変化はない。必要なのは質的変化だった。

 前半にボールを支配しながら崩しきれなかったのは、攻撃がわかりやすかったからだ。ほとんどのプレーがチェルシー守備陣の監視下に置かれていた。シティに必要だったのはラインをスキップするパスだ。

 1つ前ではなく、もう1つ前へのパス。1人をとばすことで、そのとばされた選手が次の瞬間に相手の監視から逃れることができる。前半のシティはそれがないためにパスの先々はすべてマークされ読まれていて、個人技による突破しか選択肢がなくなっていた。

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