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長友佑都 6年前

長友佑都、体現される充実ぶり。前半苦しむも後半に立て直し、確信があればこその修正力

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

DFラインの一角として機能することを優先

 立ち上がり、長友は苦労していた。6分、高い位置でルーズボールを拾ってパスを出したところ、味方の連動を見誤ったのか敵の密集地へのミスパスとなってしまう。

 すると3分後には、カウンターへの対応の際イヴァン・ペリシッチとマークをスイッチしたところ、オーバーラップをしたロムロに付き遅れ、フェイントで抜かれてクロスを上げられた。ロムロに対してはその後もフェイントに引っかかってクロスを許し、またパスの失敗からカウンターをくらうことも続いた。

 チーム全体としてもミスが多く、18位に低迷するエラス・ヴェローナの状態の悪さに救われている展開。前半は、チームに必要とされる安定感を長友が提供できていたとはいえず、サンプ戦からは一歩後退の内容だった。

 しかしその後半で、長友はきっちりと締め直した。守備におけるポジショニングを修正することで、再び堅実な守備対応ができるようになったのだ。

 自分のサイドで相手ボールになった際はむやみに前方で掴もうとせず、まずは4バックの一角として最終ラインを整えることを優先した。相手が突破を仕掛けて来ようとするスペースを先んじて埋め、またそこへのコースを切ることで、背後に侵入されるリスクを消した。

 相手のカウンターよりも早く4枚を揃えたインテルのDFラインは、高い位置を保ちながら攻撃を遅らせ、戻ってきたMF陣にボールを刈り取らせる。ディフェンスラインの一角として機能することから安定を取り戻した長友は、1対1での対処でも修正に成功した。

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