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代表 6年前

60年ぶりW杯予選敗退のイタリア。伝統国がなぜ弱体化? 監督だけに帰結できない失態の責任

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

抜擢された3人はチームの問題解消に動いたが…

 もっともこの3人自体はそれぞれが良いプレーをして、第1戦で露呈していたチームの問題の解消に動いていた。

 チーロ・インモービレと動きが重なっていたベロッティと違い、ガッビアディーニはセカンドトップ的に左右や中盤に流れて、パスの引き出し役になる。フロレンツィは守備の際に左サイドもカバーしつつ、攻撃に回れば外にも中にも飛び出し、パサーのヴェラッティとは違った形でチャンスの演出を図った。

 そして、思いのほか機能していたのがジョルジーニョだ。所属のナポリとは違い、前線から中盤から前方やサイドに飛び出す代表では選手間に距離がある。従って持ち前のショートパスによるリズミカルなゲームメイクができないのではとも思われたが、それがなかなかどうして。

 複数のプレスを受けながらも軽快なドリブルでかいくぐり、中盤からの縦パスすら皆無だった第1戦と違いスルーパスを前線に通していた。

 結果イタリアは、第1戦と比べて人もボールも良く動くサッカーを展開できていた。そして自陣を固めていたスウェーデンの守備組織を縦横に引っ張り出し、スペースを捻出することにも成功した。

 ただ惜しむらくは、相手組織を崩してエリア内にパスやクロスを送りこんでも、シュートまで持って行く精度が足りなかったことだ。左右からの折り返しにはなかなか合わず、40分にジョルジーニョから縦パスを受けたインモービレが反転してシュートを放つもミートせずにDFがクリア。43分にはフロレンツィ自らが左から切り込んでシュートを放ったが、GKに弾かれた。

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