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アジア 6年前

ぶれない男・槙野智章、“アンチ”も糧に心技体充実の時。「人生かけた闘い」、いざアジアの頂へ

浦和レッズが10年ぶり2度目のアジア制覇をかける、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦が、25日19時15分に埼玉スタジアムでキックオフを迎える。アル・ヒラル(サウジアラビア)との第1戦を1‐1で引き分けているレッズは、勝利はもちろんのこと、スコアレスドローでも優勝が決まる。最終ラインで際立つ強さと存在感を放ち、定位置を奪いつつあるハリルジャパンから好調を持続しているDF槙野智章(30)は一世一代の戦いを熱く、そして冷静に待っている。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

決戦に向けた、かつてない沈黙

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槙野智章のSNSが沈黙【写真:Getty Images】

 頻繁に更新されてきた槙野智章のインスタグラムが、19日を最後に途絶えている。最後に投稿された写真は、浦和レッズの一員として臨み、敵地サウジアラビアでアル・ヒラルと1‐1で引き分けたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦を前にピッチ上で集合しているカットだ。

「価値ある引き分け! 25日最高の日にするべく、人生かけて闘います!!」

 写真にはこんな言葉が綴られている。ハリルジャパンのヨーロッパ遠征から続いた長旅を終えて帰国し、練習を再開させて埼玉スタジアムが舞台となる25日の第2戦へ精神を高めてきた。その過程でインスタグラムはもちろんのこと、連動するツイッターにも新たな投稿はない。

 唯一リツイートされたのは、ACL決勝第2戦を告知するJリーグによる投稿だった。それだけ「戦う」ではなく「闘う」と位置づけた、運命の大一番にかける熱い思いが伝わってくる。

 心技体で最も充実の時を迎えている選手、といっても過言ではない。連敗こそ喫したものの、FIFAランキング2位のブラジル、同5位のベルギー両代表と対峙したヨーロッパ遠征で、センターバックとして2試合ともにフル出場を果たして奮闘した。

 そして、GK西川周作やMF長澤和輝ら、ハリルジャパンに選出されていた5人でベルギーからフランクフルトを経由して、ほぼ1日をかけてサウジアラビアの首都リヤドへ。中3日で行われた第1戦でも、センターバックとして先発フル出場。精神的にも肉体的にもタフだった90分間の末に手にした、アウェイゴールをもぎ取ってのドローは「価値ある」と位置づけていい。

 第2戦では勝利はもちろんのこと、スコアレスドローでも10年ぶり2度目のアジア制覇が決まる。センターバックのマウリシオが累積警告による出場停止から復帰する第2戦では、今シーズン途中から主戦場としてきた左サイドバックでプレーする可能性が高い。

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