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日本代表 6年前

ハリルJに必要な人材。「持たされること」への懸念。パッキングポイントという評価軸【データアナリストの眼力】

12月9日から始まるE-1選手権に向けて準備を進めているハリルジャパン。11月の欧州遠征ではブラジル、ベルギーといった強豪を相手に苦戦を強いられたが、本大会に向けた課題はどのようなものだろうか。ハリルホジッチ監督が日本代表チームに落とし込もうとしているコンセプトを踏まえ、データアナリストの庄司悟氏が分析する。(分析:庄司悟/取材・文:中山佑輔)

シリーズ:データアナリストの眼力 text by 中山佑輔 photo by Getty Images

ハリルホジッチ監督が落とし込もうとしているコンセプト

日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 2017年11月のインターナショナルマッチウィークでは欧州遠征を実施した日本代表。2018年ロシアワールドカップでシード国であるポット1に入ったブラジル、ベルギーとの2連戦となったが、力の差を見せつけられ、ブラジルには1-3、ベルギーには0-1で敗れた。

 データアナリストの庄司悟氏は、この2連戦でヴァイッド・ハリルホジッチ監督が落とし込もうとしている本番仕様のコンセプトが試されたと考えている。そのコンセプトとはどういったものか。

「ワールドカップのアジア最終予選を通して、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が日本代表に叩きこもうとしている戦い方のコンセプトが見えてきました。ボールを持ったときは、センターバック間でのやり取りを減らして前線の選手に素早くボールをつける。それも中盤中央にボールを通すのではなく、サイドバックからウイングへパスをして前進するというイメージです。

 なぜそうしているかというと、中盤でのボールロストは相手の決定機創出に直結するからだと思います。これは現代サッカーのトレンドに即したものです。中盤中央を打開できる技術やスピードを兼ね備えたデ・ブルイネのような選手がいれば話は別ですが、日本にそういったクラスの選手はいない。

 となれば、中盤中央を通すのはメリットよりもデメリットのほうが大きい。いっぽうで中盤を打開されると大ピンチになるので、そこには守備強度が高い選手を置くかたちになっています」

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