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日本代表 6年前

井手口陽介、日本代表の柱となれ。E-1で問われる真価、リスク覚悟の海外移籍も

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ピッチ外でも顕著な井手口陽介の成長

 それを井手口も自覚していて「相手のビデオを見たけど、球際とかは激しくくると思うし、チーム全員でアグレッシブに戦ってくるという印象だった。その部分では毎試合誰にも負けない感覚でやってるので、北朝鮮にも負けないようにしていきたいです」と改めて語気を強めていた。

 こういった発言が堂々とできるようになったのも、井手口の大きな成長と言える。日本代表に初招集された2016年11月のオマーン(鹿島)・サウジアラビア(埼玉)2連戦の頃は人見知りが激しく、メディアに何を聞かれても「分かんないです」と困惑気味に回答することが多かった。そんな彼が代表で試合を重ね、存在価値を高めていくにつれて、人の目を見ながら自分の意見をしっかりと口にするようになったのは、紛れもなく自信の表れだ。

「去年はガンバでも先輩についていくだけだった。今年は引っ張っていきたい気持ちを持っていたし、そのへんに関しては少しは変わりました」と本人も心境の変化を認めている。しかしながら、「そういう気持ちをなかなかプレーで表現できなくて、難しい状況が続いた」とも発言。今季J1最終戦だった12月2日のFC東京戦後にはガンバでの不完全燃焼感をストレートに吐露していた。今回のE-1はその悔しさをぶつける絶好の機会だ。

 ガンバの先輩・今野泰幸とボランチでコンビを組むことがも有力視されるだけに、日本屈指のボール奪取力を誇る2人がショートカウンターの起点となる献身的な守備とハードワークを見せてくれれば、日本の勝機も大いに広がる。同い年の三竿と組んでも、同じような仕事ができるだろう。井手口自身も「前回大会(2015年=中国・武漢)は最下位に終わったので、まずこの東アジアで優勝することが目標。個人としては監督の求めることを表現しつつ、自分の持ち味をしっかり毎試合出していきたい」と前向きに語り、中盤での攻防を力強く制していくつもりだ。

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