【西部の目】日韓戦大敗のハリルJ、現実味が伴いすぎていた悪夢。「A代表」でも起こりうる守備崩壊

2017年12月18日(Mon)12時14分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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ハイプレスへの押し出しが効かない

浦和を除いた国内組の編成でE-1に臨んでいた日本代表
浦和を除いた国内組の編成でE-1に臨んでいた日本代表【写真:Getty Images】

 開始直後に車屋紳太郎のきれいなクロスボールから小林悠がヘディングシュートを放ち、伊東純也のスピードがファウルを誘ってPKゲット。小林が決めて3分で先制。ここまでは言うことなしだった。

 ところが早すぎた先制点から日本は重心が定まらなくなってしまう。1点差の状況、たっぷり残っている時間。どう戦うかの判断に迷ってしまうのだ。韓国はすかさず反撃を開始、そのまま最後の数分まで完全にゲームを支配してしまった。

 韓国はサイドハーフが中央へ入ってサイドバックが高い位置をとる定石どおりの攻め込み。とくにキム・ジンスとキム・ミヌのサイドバックタイプを縦に並べた左サイドが、日本の伊東純也、植田直通のペアに圧力をかけていく。そしてFWキム・シヌクの高さと強さが明確な脅威になっていた。

 E-1はハリルホジッチ監督にとって、あくまで戦力のテストにすぎない。この大会に優勝するためではなく、ロシアワールドカップを睨んでの采配になる。従って戦術はこれまでと同じ、まずは選手がそれに合わせなければならない。

 守備はミドルゾーンのプレスを基本に、適宜にハイプレスに切り替える。これはハリルホジッチ戦術の肝になる部分で、ハイプレスで奪ってショートカウンターでフィニッシュできれば理想的だ。

 ところが、日本がハイプレスへ切り替えるのを見越して韓国はキム・シヌクへの縦パスを狙っていた。ハイプレスなのに日本のディフェンスラインの押し上げが緩慢なのを知っていたのかもしれない。

 先のブラジル戦でも、ブラジルは日本がハイプレスに来る境界線を探り終えると、間延びさせて間を狙う攻撃を繰り返していた。やられ方は違うが、「A代表」もE-1の代表もその点では同じだった。

 ロシアではロベルト・レヴァンドフスキを擁するポーランドと対戦するので、解決しておかなければいけない問題である。ただ、快足サディオ・マネのいるセネガルとも対戦するのでラインを上げれば解決という話ではない。ともあれ、韓国戦におけるハイプレスの威力のなさは「A代表」と無関係ではなかった。

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