「ひとつのボールを蹴ることに対して本当に集中してやっていきたい」（小泉）

　最終的に4ゴールを奪って柏が勝利したが、小泉の存在が目立ったわけではない。「今日は反省するところもたくさんある」と本人が振り返るように、ミスもあった。とはいえ、手応えを得られたのも事実だ。柏の洗練された組織の中でトライアンドエラーを繰り返し、時間の経過と共に順応していった。

「チームの色もあるけど、自分の良さであるアグレッシブさやボール奪取はどのチームに行こうが出さないといけない。今日ももっともっと出さないといけなかったし、もっと上手くビルドアップもできたと思う」

　今季、柏はACLとJ1を戦う。スケジュールはタイトで、チーム全体の力が問われることになる。既存戦力の進化はもちろん、新戦力の台頭も戴冠に向けて不可欠なポイントだろう。

「僕に足りないものがレイソルにある」と小泉は述べたが、勇猛果敢なスタイルは彼にしかない特徴だ。その武器に丁寧なボールワークや決定的な仕事を果たす力が加われば、選手としても新たなステージに進むことができるだろう。そのためにも、日々のトレーニングでどれだけ自身と向き合えるかが重要になる。

「本当に毎日の練習の積み重ねでチャンスを掴むしかない。1日1日を無駄にしないように、ひとつのボールを蹴ることに対して本当に集中してやっていきたい。細かいところを追求していけばどんどん良くなると思うし、それが今後の結果に繋がる」

　新潟で培った『色』を失うことなく、新天地の『色』を塗っていく。小泉慶の成長は自身だけでなく、柏レイソルというチームにも新たな『色』を与えるのではないだろうか。

（取材・文：青木務）

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