湘南・曹監督が見抜いた梅崎司の本音。元日本代表が感じた浦和での葛藤と成長への渇望

2018年02月15日(Thu)10時19分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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「このチームにベテランはいない」オールドルーキーの再出発

浦和レッズでの葛藤を経て、梅崎は復活への決意を固めている
浦和レッズでの葛藤を経て、梅崎は復活への決意を固めている【写真:Getty Images】

 新体制が始動した1月11日。練習を前にした約1時間にわたるミーティングで、曹監督は初めて顔をそろえた31人の選手たち(現在は33人)に対してこんな檄を飛ばした。

「新人はルーキーと、経験のある選手はベテランとよく呼ばれるけど、このチームにはベテランはいない。ヤングルーキーとオールドルーキーが同居しているだけだ。全員がルーキーのような新鮮な気持ちをもって、サッカーを楽しんでいってほしい」

 事前にベルマーレ出身のDF遠藤航やレッズ時代の先輩で、ベルマーレをへて今シーズンからレノファ山口でプレーするDF坪井慶介から新天地に関する情報を収集。始動する前日にはベルマーレに期限付き移籍していた3年間で輝きを取り戻し、今シーズンからレッズへ復帰したMF山田直輝とも食事をともにした梅崎は、気持ちが高ぶってくるのを感じずにはいられなかった。

「(山田)直輝が再び輝いたことは、心から嬉しかった。僕と似たような境遇というか、アイツもけがを繰り返したことで、自分自身のパフォーマンスができない時期も長かったので。それでもサッカーに対してすごく情熱的で、真摯に向き合うやつなので。食事したときは、そんな話にも花が咲きました。

 (遠藤)航や坪井さんも含めて、間違いなく成長できる環境だと言ってもらえました。どんな相手にも怯まず、アグレッシブに向かっていくベルマーレの姿勢は、敵として対戦していてすごく嫌でした。そのチームの一員としてプレーできることに、いまからワクワクしています」

 右太ももの裏を痛めていた関係で、スペイン・マラガでのキャンプを含めて別メニューが続いているが、レッズ時代に引き続いてベルマーレでも託された「7番」を、早くファンやサポーターに見せたいという熱い思いは萎えない。

 新天地ベルマーレで再び輝きを放ち、成長していきたいと誓うオールドルーキーは、キャプテンのFW高山薫を支える副キャプテンの一人にも就任。ともに昇格を果たしたV・ファーレン長崎をホームのShonan BMWスタジアム平塚に迎えるJ1開幕戦前日の23日には、31回目の誕生日を迎える。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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【著者プロフィール】
曺貴裁(チョウ キジェ)
1969年1月16日、京都市生まれ。京都府立洛北高校、早稲田大学を経て、91年日立製作所本社サッカー部(のちの柏レイソル)、浦和レッズ、ヴィッセル神戸でプレー。Jリーグ通算70試合に出場。12年に湘南ベルマーレ監督に就任。チームを3度のJ1昇格、2度のJ2優勝に導き、就任7季目となる18年は監督としては通算4年目となるJ1での戦いに挑む。

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