劣勢バルサに巡ってきた僥倖。メッシが起死回生の一撃…超守備的チェルシーの油断

欧州の頂点奪回を目指すバルセロナとチェルシーが、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦で激突した。ロンドンで行われた1stレグは、互いに細かな戦術的なやりとりの応酬。だが、一瞬の気の緩みが2ndレグに向けて両者の明暗を分けることになった。(文:長坂祐樹)

2018年02月21日(Wed)11時35分配信

text by 長坂祐樹 photo Getty Images
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超守備的なチェルシー。5バックでバルサに対抗

チェルシー
チェルシーのバルセロナ戦スタメン。3バックと思われたが試合が始まれば5バックのように

 11年連続のチャンピオンズリーグ(CL)ベスト8進出目指すバルセロナにとって、今回のロンドンでの1-1の引き分けという結果は大きな意味をもつことになるだろう。

 現地時間20日、CL決勝トーナメント1回戦1stレグの試合が行われ、バルセロナはチェルシーのホームに乗り込んだ。リーグでは4位と調子の上がらないチェルシーにとって、リーグ24試合を戦って無敗のまま首位を維持しているバルセロナとの対戦は厳しいものになることが予想されていた。

 選手個々の力、チーム力で上回る“格上”のチームに勝利するため、“格下”のチームが何か明確な対策を打たなければならないのは当然のこと。そして、この試合では“格下”となったチェルシーは、守備ラインを低めに設定した5-4-1のシステムを採用した。前線では、エースのエデン・アザールが1トップの位置に入り、走力と献身性が光るペドロ・ロドリゲスとウィリアンが両翼を務めた。

 この守備的な5-4-1には明らかなメリットとデメリットがある。メリットは、最終ラインの5枚のDFに加え2列目にも4人の中盤の選手を配置することで、ピッチ全体の危険なゾーンを9人でカバーでき、堅固な守備を構築できること。デメリットは、構造上一度最終ラインを下げてしまうと再びプレスをかけにいくのは難しくなり、守備一辺倒になって攻撃に転じにくくなってしまう傾向があることだ。

 チェルシーは、ウィリアンやアザールら独力でフィニッシュまで持ち込める選手を起用することでそのデメリットを薄れさせながら、ボール保持とスペース攻略に長けたバルセロナの攻撃を封じるためのメリットを前面に出す作戦を選んだ。

 一方、いつも通りの4-4-2のシステムで試合に臨んだバルセロナも、チェルシーの守備的布陣に対してロジカルなリアクションを見せる。ボールロストからカウンターを受けることを懸念してか、ビルドアップは相手の1トップに対してセンターバックの2人と2ボランチのセルヒオ・ブスケッツとイバン・ラキティッチの4人が担当する。

 中央の危険なエリアで待つリオネル・メッシへパスを送るべく、両サイドハーフ、特に左のアンドレス・イニエスタが後方部隊と協力しながらチェルシーの右ウイングの背後のスペースを突く作業を繰り返した。

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