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ファンタジスタなのにメッシのマーク役? コバチッチがエース対策に適任な理由【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

クラシコではメッシに完敗

バルセロナ戦ではメッシのマンマーク役を担当したコバチッチ
バルセロナ戦ではメッシのマンマーク役を担当したコバチッチ【写真:Getty Images】

 レアル・マドリー対バルセロナは0-0でハーフタイム。レアルは4つの決定機を決め損ねている。守備は完璧だった。しかし後半に様相は一変する。

 エルネスト・バルベルデ監督がポジションを整理すると、バルセロナはようやくパスが回り始める。そして54分にラキティッチのドリブルからセルジ・ロベルト、ルイス・スアレスと渡ってゴール。このとき、コバチッチはラキティッチの近くにいながらボールを奪いに行かなかった。

 メッシがいたからだ。コバチッチとレアルは、メッシよりもラキティッチをフリーにすることを選んだといえる。メッシはコバチッチを試すように、ゆっくりとラキティッチの後方をジョギングしていた。

 63分、コバチッチに対してメッシがファウル。すぐに立ち上がれない強烈な当たりだった。コバチッチが回復しないうちにバルセロナが攻め込むと、カルバハルのハンドボールでバルサにPKが与えられ、ここまで眠っていたメッシが決めて2-0。メッシは93分にも得点、しかしこのときにもうコバチッチはピッチにいなかった。

 終わってみればメッシのクラシコだった。ただ、コバチッチにとってこれは終わりではなく物語の始まりなのかも知れない。

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