フットボールチャンネル

日本代表 6年前

【識者の眼】柴崎岳の創造性がハリルJを導くか。流れを支配する多彩なセンス

text by 河治良幸 photo by Getty Images

柴崎が日本代表の新たなオプションになるか

柴崎岳
ウクライナ戦のプレーしだいでは柴崎岳がロシア行きの有力候補にも。高いポテンシャルはクラブでも発揮している【写真:Getty Images】

 攻撃的MFの柴崎が日本代表で求められる役割はヘタフェと共通する部分が多い。ボランチが長谷部誠や山口など攻撃ではよりシンプルなパスを得意とする選手との組み合わせであれば、早めにボールを引き出して起点になり、ワイドに展開するのか。1トップで先発が予想される杉本との縦のコンビネーションで突き崩すのかを柔軟に判断していくことになる。

 もちろん攻撃的なポジションである以上は自分でフィニッシュを狙うシーンも出てくるだろう。そうした高めのポジションについて「チャンスがあればどんどん前に飛び出していく。やはり何でもかんでもというわけでもないですけど、できればそういう結果を残したい」と語る。昨年9月にはバルセロナを相手に芸術的なボレーシュートで衝撃的なゴールを奪った柴崎だが、飛び出しにも磨きをかけており、そうしたプレーがタイミングよく出ればヤロスラフ・ラキツキ(シャフタール・ドネツク)らウクライナの屈強なディフェンス陣からでもゴールを奪うことができる。

 高い位置からのディフェンスも求められるポジションであり、そのタスクを継続してこなすことも重要な役割になる。だが、高い位置で味方からボールを引き出し、チャンスの起点になるパス、時に自分でゴールを狙うのが柴崎の最も重要な役目。

 “前目のゲームメーカー”として、これまで日本代表に不足していた攻撃のクリエイティビティをもたらす存在として、ウクライナ戦の勝利に導く活躍ができれば、森岡の他にも今回は怪我で選外となった香川真司や清武弘嗣など、多くの候補を抱える2列目でも戦術的なキーマンとして、ロシアワールドカップ本大会に臨む最終メンバーの有力候補になる。

(取材・文:河治良幸【リエージュ】)

【了】

★W杯予選まとめはこちら★

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top