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日本代表 6年前

「点を取れる」新たな日本のトップ下に。名門移籍で飛躍した森岡亮太の胸中【日本代表当落線上の男たち】

シリーズ:日本代表当落線上の男たち text by 元川悦子 photo by Getty Images

アンデルレヒト移籍で変貌。生まれた精神的な余裕

森岡亮太
今年1月にはベルギーの名門・アンデルレヒトへ活躍の場を移した【写真:Getty Images】

 迎えた2018年1月末。森岡はベルギーの名門・アンデルレヒトへとステップアップ。同国きっての戦術家として知られるハイン・ファンハーゼブルック監督の下、それまでの「お膳立て役」から「フィニッシャー」へと変貌を遂げたのである。

「移籍話が舞い込んできたのは1月28日。本当にギリギリのタイミングでした。他国からも話はありましたけど、『その国のトップクラブに行きたい』という思い。ブロツワフは毎年最下位みたいなクラブでしたし、ベフェレンも有能な監督が率いていて僕自身も伸び伸びプレーさせてもらったけど、欧州カップ戦を狙えるようなチームではなかった。やっぱり強豪でやってみたかったんです。同じ国だと引っ越しもスムーズだし、環境も大きく変わらなくて済んだ。そこは助かりました。

 今の監督の戦術は最初の2~3試合で理解できました。ベフェレン時代からの一番大きな変化は『パスの出し手』から『受け手』に変わったこと。フィニッシャーになったことで、時速25km以上のスプリント回数が大幅に増えました。僕はもともと走行距離自体は結構あったけど、メリハリが少ないせいで走っていないように見られがちだった。今はいい方向に進んでいます。レベルの高い選手たちと日々プレーすることで精神的な余裕が生まれたのも大きいと思います」と本人は新天地での直近2カ月間を簡単に振り返る。

 アンデルレヒトでは2月25日のムスクロン戦で2発を叩き込み、3月3日のズルテ・ワレヘム戦でも1得点と着実にゴールを重ねた。そればかりではない。ベフェレンの時は4-2-3-1のトップ下だったが、現クラブでは3-4-2-1の2シャドーの一角に入るケースが増え、前線でのハイプレスから素早い攻撃というスタイルにも適応。ハリルジャパンが目指しているものに近いサッカーを体現できるようになったのだ。

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