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日本代表 6年前

「点を取れる」新たな日本のトップ下に。名門移籍で飛躍した森岡亮太の胸中【日本代表当落線上の男たち】

ロシアワールドカップ本大会まで約2ヶ月。日本代表はメンバー発表前最後の遠征を終えた。その後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の電撃解任もあってチームは岐路に立たされている。サッカー選手であれば誰もが憧れる夢の舞台に立てるかどうか、その当落線上にいる男たちは今、何を思うのか。今回はワールドカップ予選後にハリルジャパンの一員となり、ベルギーの名門アンデルレヒトで異彩を放つMF森岡亮太の胸の内に迫った。(取材・文:元川悦子)

シリーズ:日本代表当落線上の男たち text by 元川悦子 photo by Getty Images

不完全燃焼だったハリルジャパンデビュー

森岡亮太
ハリルジャパンに初参戦したのは昨年11月のブラジル戦とベルギー戦だった【写真:Getty Images】

 4月6日のベルギー1部優勝プレーオフのシャルルロワ戦。開始早々の3分、右サイドのラザル・マルコビッチが挙げた絶妙のクロスに反応し、ゴール前へ侵入。左足ジャンピングボレーで先制弾を叩き出したのが、アンデルレヒトの10番を背負う森岡亮太だった。

 この日は3-4-3の左FWという不慣れなポジションで起用されながら、自らの巧みなサイドチェンジで自身の1点目をお膳立てしてみせた。

 これで今季通算11得点目。「今の自分が目指しているのは、アンデルレヒトのリーグ制覇と来季のチャンピオンズリーグ(CL)本戦出場権獲得。そして得点やアシストをできる限り増やすこと。そうやって個人のレベルを上げるしか、世界で生き残る術はない」と本人も語気を強めている。

 ロシアワールドカップに向かう日本代表に予選後から加わった男にとって、最終メンバー入りを果たす唯一の道は、クラブで結果を出し続けることだけ。今の彼からは、いい意味での割り切りがしっかりと伝わってくる。

 森岡亮太がハリルジャパンに初参戦したのは、昨年11月のブラジル戦(リール)とベルギー戦(ブルージュ)。日本代表自体はハビエル・アギーレ監督時代の2015年にも経験しているが、2016年1月にポーランド1部のシロンスク・ヴロツワフで海外挑戦に踏み切ってからは初めての招集だった。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の目に留まったのは、2017年夏にベルギー1部のワースラント・ベフェレンへ移籍し、開幕からゴールを量産したのがきっかけ。「なぜモリオカは日本代表に入っていないのか」と現地メディアも声高に疑問を投げかけるようになり、ボスニア人指揮官も世論に押されるように攻撃的MF候補に抜擢する。

 ブラジル戦とベルギー戦では続けてジョーカー起用で、勝利につながる仕事は見せられなかった。本人も不完全燃焼を痛感する出来だったという。

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