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Jリーグ 6年前

浦和、オリヴェイラ監督就任で常勝軍団形成なるか。真の姿はW杯後…11年前の奇跡再現を

text by 青木務 photo by Tsutomu Aoki

鹿島時代の奇跡再現なるか

 今季の浦和は開幕から5戦勝ちなしと調子が上がらず、大槻毅氏が暫定監督として指揮を執ることになった。すると、チームは力を取り戻したかのように勝ち星を稼いでいった。リーグ3連勝と、停滞感を払拭して見せた。現在の勢いを持続させることが不可欠だ。

 大槻暫定監督体制では3バックがベースだったが、オリヴェイラ監督は「2007年の鹿島以降、私は4バックをずっと使ってきた」と言う。それでも、新監督は「好みを優先するのではなく、どの形がいいのかという感覚を大事にしたい。今までプレーしてきた形をまずは継続していきたい」と述べ、選手たちが慣れ親しんだスタイルをまずは踏襲する意思を明かしている。

 とはいえ、ワールドカップによる中断期間に入れば、自身のやり方をチームに植えつける時間が生まれる。オリヴェイラ監督の色が出るとすれば、ロシアワールドカップ後になりそうだ。

 もちろん、連戦においても勝利を重ねることが新監督には求められる。「リーグ優勝、ACL出場権獲得を一緒に目指せますかと質問して、『やれます』と強い言葉をいただいた。浦和レッズで監督をやることへの想いがすごく伝わってきた」と、中村GMはオリヴェイラ監督とのやりとりを説明した。

 現在、明治安田生命J1リーグはサンフレッチェ広島が勝ち点25と独走中だが、2位のFC東京は勝ち点16。浦和は9位だが12ポイントと上位は射程圏内にある。5月3週目のゲームまでしぶとく食らいつき、中断期間でさらなる強化を図るのが理想だろう。

 オリヴェイラ監督は、鹿島時代に“伝説”を作っている。2007年、残り5試合の時点で首位・浦和レッズとの勝ち点差は「10」あったが、怒涛の9連勝で逆転優勝を果たした。

「私の言葉が説得力を持って、選手たちがしっかりトレーニングをして、同じ方向に向かっていけばタイトルを目指すことが必ずできると信じている」

 オリヴェイラ監督は浦和を王者へと導けるだろうか。インパクト大の前例があるだけに、ファン・サポーターとしては期待せずにはいられないのではないか。

(取材・文:青木務)

【了】

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