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代表 6年前

欧州主要リーグ初のアジア人得点王が誕生。W杯でイラン代表の歴史を変え、夢の舞台へ

text by 中田徹 photo by Getty Images

オランダ移籍後の着実な成長

 ジャハンバフシュがオランダに来たのは2013年夏のこと。当時19歳だった。ダマシュ・ギランの一員としてアラブ首長国連邦の大会に出場している時、当時オランダ1部リーグだったNECのスカウトに発見されたのだ。

 ジャハンバフシュには、フランスやトルコのチームも関心を抱いていたという。しかし、「NECのことは知らなかったけれど、オランダは若い選手が成長するのに理想的なリーグ。そしてイラン代表に選ばれて、2014年のワールドカップにも出たかった」とオランダ行きを決心した。

 オランダデビューシーズンとなった2013/14シーズン、NECは残念ながら17位に沈み2部に降格してしまったが、ジャハンバフシュ自身は5ゴール4アシストとまずまずの数字を残し、ブラジルワールドカップでは途中出場ながらイラン代表として全試合に出場した。

 そして、ジャハンバフシュはオランダ2部リーグで見事なブレークを果たす。2014/15シーズン、彼は12ゴール17アシストという大活躍でNECを優勝(=1部昇格)に導き、オランダ2部リーグ最優秀選手に選ばれたのだ。

 この大活躍にイングランドのブライトン&ホーブ・アルビオンがオファーを出し、NECとのクラブ間合意に達したが、ジャハンバフシュは地道に実力をつけることを選び、オランダの強豪中堅クラブながら若手の成長に定評のあるAZへ移籍した。

 チームのレベルアップ、欧州カップ戦も戦う過密日程、環境の変化、負傷もあって、移籍初年度の2015/16シーズンはわずか3ゴール6アシストに終わったが、翌2016/17シーズンは10ゴール9アシストと、すっかりAZの中心選手になった。

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