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スペイン代表のゴールマウスはデ・ヘアと共に。冷静に淡々と、鋼のメンタルを持つ“本物の”GK【西部の目】

ダビド・デ・ヘアは長身スラリ系のGKにおける代表格である。このポジションに求められる全ての要素を兼ね備え、ゴールに鍵をかける。そして、完全無欠の守護神は強靭な精神力も有する。何にも動じないそのメンタリティが、デ・ヘアを世界最高に押し上げている。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

フィールドで最も冷静な男

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ダビド・デ・ヘア【写真:Getty Images】

 サッカー界だけのことなのかどうかわからないが、フォトグラファーの体型は2つに大別できる気がする。長身でスラリとして手足が長いカメラマン、そうでなければ身長に関係なくガチムチ系。もちろん中肉中背の人もいるが、だいたいどちらかのタイプが多い。日本よりもヨーロッパのほうがそうかもしれない。

 GKの体型はフォトグラファーと同じだ。ダビド・デ・ヘアはもちろん長身タイプである。マンチェスター・ユナイテッドの先輩としてはピーター・シュマイケルとファビアン・バルテズがガチムチ系、エドウィン・ファンデルサールがデ・ヘアと同じ長身系だ。

 ガチムチ系GKはとにかく圧がすごい。ゴールに立ちはだかる不動明王のようで、パンチングなんか頭に食らったら再起不能になりそうだ。一方、長身スレンダー系はあまり圧力がない。風のようにフワリと動いてシュートを止めてしまう。前者が燃える闘魂なら、後者は冷静沈着。デ・ヘアはイメージどおりクールな男であるようだ。ユナイテッドのGKコーチはこう話している。

「素晴らしいのは内面の強さだ。我々が彼に教えているのは『GKは最も冷静な男であるべき』なのだが、彼の偉大な特質の1つが冷静さだ」

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