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代表 6年前

優勝候補フランス、上質な料理に加わる新たな調味料。最強中盤が生む相乗効果と高まる期待感【ロシアW杯】

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

タイプの異なる中盤トリオは良い相乗効果に?

フランス代表
フランス代表のエンゴロ・カンテ、ポール・ポグバ、コランタン・トリッソ【写真:Getty Images】

 ただ、アメリカ戦では、74分にシディベと交代したバンジャマン・パバールが上げたクロスから、キリアン・エムバペがゴールを決めた。左サイドも、A代表歴は今年3月からと浅いが、今季アトレティコ・マドリーでレギュラーとしてプレーしてきたルーカス・エルナンデスも十分戦力として計算できる。

 鉄板と言われていたシディベとメンディのサイドバックコンビが本番直前に揺らぐことになるとはこれが現実か、という感じだが、パバールとエルナンデスが転じて重要な戦力になるかもしれない。

 中盤では、ポール・ポグバが「エース級選手のわりにパフォーマンスがぱっとしない」と叩かれている。

 たしかに昨年秋に大腿部を負傷し、今年3月に代表戦に復帰したあとは、空回り気味のパフォーマンスも目立った。本人は、つい先日のフランス・フットボール誌とのロングインタビューで、「自分はみんなと同じような評価を受けていない」などと反論していたが、テストマッチ最終戦のアメリカ戦ではフル出場し、かつての『レ・ブルーの機動力』的な面にも復活の兆しが見えた。

 今大会では、デシャン監督は【4-3-3】(あるいは中盤がひし形の【4-4-2】)を採用するつもりのようで、中盤の3人は、エンゴロ・カンテ、ポール・ポグバ、コランタン・トリッソをベースに、ブレーズ・マテュイディやスティーブン・エンゾンジが入れ替わるという形になりそうだ。

 トリッソは今大会の予選でもポグバが欠場した17年の10月の2試合に出場したのみと、代表歴はそれほどないが、本戦前のテストマッチのアイルランド戦で、ボールをハイテンポかつスムースに回せる働きがデシャン監督に強く響いたようで、一躍レギュラー候補に浮上した。

 カンテ、トリッソ、ポグバという持ち味も役割もキャラクターも異なる3人の組み合わせは、けっこう良い相乗効果を生みそうだ。

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