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代表 6年前

優勝候補フランス、上質な料理に加わる新たな調味料。最強中盤が生む相乗効果と高まる期待感【ロシアW杯】

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

固まったオプション。あとは連係面の向上がカギに

 そして攻撃陣では、オリビエ・ジルーがアメリカ戦で、相手選手と空中戦でクラッシュして頭を縫う怪我を負い、痛々しい包帯姿で練習に参加しているが、初戦出場についてはデシャン監督も楽観している。

 指揮官は、今大会では、ジルーとキリアン・エムバペを前に出し、その後ろにアントワーヌ・グリーズマンを置くシステムを採用するつもりのようだ。

 これまで、ポスト役がジルー一人に限られるという現代表のメンバーの中で、どう攻撃陣を生かすか、サイドに2人を配置する【4-4-2】なども試してきたが、最終的にたどり着いたのがこの形だった。

 グリーズマンはこのポジションについて「チームプレーの中で自分を生かすことが僕にとっては一番大事なこと。チャンスがあれば(ゴールも)狙うけれど、もっともチャンスに近いところにいる仲間のために自分が作り手になることもまったく構わない。ボールを持っていないときには下がってプレーするだろうし、ディフェンスをすることも問題ない」と話している。

「キリアンもオリビエも、みんなして真ん中に集まりそうだから、お互い足を踏まないように気をつけないとね」とジョークを交えたが、連係については初戦までにさらに煮詰めたいと感じているようだ。

 オプションには、ジルーに替えてウスマヌ・デンベレ、グリーズマンに替えてナビル・フェキル、また、来季のアトレティコ・マドリー入団が合意に達して気分晴れ晴れのトマ・ルマルというジョーカーもいる。

 フェキルは、テストマッチ初戦のアイルランド戦ではCKから先制点を導き、続いて自らシュート、アメリカ戦でもゴールにつながる起点のパスを出すなど、本戦前の数戦で絶大な存在感を発揮した。

 トリッソ以上に予選にも出場していないが、所属するリヨンでは若いうちから責任あるポジションを任され、主力として毎年リヨンの上位3位入りに貢献してきただけあり、ここぞという時にゲームをまわせる力があり、肝もすわっているのが頼もしい。中距離弾の精度も高いから、膠着した展開では打開策になれそうだ。

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