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代表 6年前

一にも二にもリオネル・メッシ。アルゼンチン、32年ぶり優勝は10番の『自由度』次第【ロシアW杯注目国分析】

 2018FIFAワールドカップロシアが開幕した。各国がそれぞれの目標を達成するために23選手を選抜し、コンティション調整を続けている中、本大会を前に注目国の状況をチェックする。今回はリオネル・メッシ擁するアルゼンチン代表。(文:編集部)

text by 編集部 photo by Getty Images

大会直前のテストマッチが中止に

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リオネル・メッシ【写真:Getty Images】

【アルゼンチン代表】
FIFAランキング:5位(2018年6月)
監督: ホルヘ・サンパオリ(2017年~)
12大会連続17回目の出場
最高成績:優勝(1978年アルゼンチン大会、1986年メキシコ大会)
南米予選3位通過

 世界最高の選手をワールドカップで見られないかもしれない。アルゼンチン代表は危機に直面していた。

 南米予選で苦戦を強いられ、2度の監督交代を経験。ホルヘ・サンパオリ体制になり、最終節でリオネル・メッシのハットトリックで何とか本大会にストレートインした。ロシアワールドカップがメッシ不在の大会にならずに済んだ。

[3-3-1-3]の布陣にトライしてきたが、昨年11月の親善試合ではナイジェリアに2-4と逆転負けを喫してしまう。そして、現在は4バックに戻しているが、スペイン代表戦では1-6というショッキングな大敗を経験した。この試合にメッシは出場していなかった。彼がいれば得点は増えたかもしれないが、不安を払拭してワールドカップに臨みたいところだ。ただ、今月9日に予定されていたイスラエルとの親善試合が中止となった。試合を行う場所が問題となったようだ。

 イスラエルと政治的な問題を抱えるパレスチナが、エルサレムでの試合開催に強く抗議。アルゼンチン代表が合宿するスペイン・バルセロナの練習場に数十人のデモ隊が集結する事態となった。

 スペイン紙『アス』によれば、メッシに対して死の脅迫があったという。大事なテストマッチが予期せぬ形で開催できなくなり、調整の進捗状況が心配される。

 ブラジルワールドカップは準優勝と、頂点にはあと一歩届かなかった。メッシも30歳。異次元のプレーは今後もしばらく見られるかもしれないが、アルゼンチン代表から退く可能性もあるだけに、今大会は何としても優勝を果たしたいところだ。

 間違いなく強豪国のひとつだが、メッシが大黒柱であり、彼がいないとチーム力の低下は避けられない。それだけ影響力の大きな選手だからこそ、仲間たちは10番が最高のプレーを披露できるようサポートしなければならない。アンヘル・ディ・マリア、ゴンサロ・イグアインといったスターも例外ではない。

 早々に決勝トーナメント進出を決めてメッシを休ませ、パウロ・ディバラを起用するようなやりくりができればベストだが、楽に抜けられるようなグループではない。

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