フットボールチャンネル

代表 6年前

日本の相手ベルギーとは? 最高の陣容と注意すべき点。そして、わずかに存在する“弱点”【ロシアW杯】

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

脅威となり得るフェライニ。日本戦の先発はあるか

 さらに3バックを敷くチームは3バックというより5バックになってしまうことも少なくはないが、ベルギーは違う。ヤニック・カラスコとトマ・ムニエのウイングバックがサイドの長い距離を上下動することによって理想的な3バックシステムとなっている。特に左WBのカラスコは、チュニジア戦では3回のドリブル突破と2本の決定的なパス、4本のシュートで攻撃力の高さを見せつけていた。

 そのチュニジア戦では、ボール支配率では49.7%、パス総本数でも相手の452本に対して445本と下回っていたものの、パス成功本数では相手の367本に対して374本と上回った。これほど正確にパスがつながるのは、チーム全体がコンパクトに保たれているためだろう。

 さらに、イングランドとの最終戦では大幅にメンバーを入れ替えたことでさらなるオプションの有効性も確認することができた。

 アザールに代わって左のシャドーに入ったマルアン・フェライニは194cmという長身を生かして両チーム断トツトップとなる6回の空中戦勝利を記録し、3回のドリブル突破と2本の決定的なパスを記録してデータサイト『Who Scored』のレーティングで両チーム最高の8.45という評価を得た。

 フェライニを2シャドーの1角に据えることで、ベルギーは高い位置で攻撃の起点を作ることができていた。日本の中盤は175cmの柴崎岳と180cmの長谷部誠が組むため、フェライニを先発させて身長差を突いてくる可能性は十分に考えられる。

 2シャドーの位置でフェライニとアザールが組むことになれば、日本にとって大きな脅威となる。よりアザールに近い位置に攻撃の起点が生まれてしまうと、危険なエリアでボールを持たれる状況が増えるはず。さらにデ・ブルイネとヴィツェルにかけるべき圧力も分散されてしまう。

 もちろん、フェライニが先発するか否かにかかわらず、簡単に中盤へボールを入れさせてしまえば、一気にベルギーのペースとなる。それだけに、まずは大迫、香川を中心に3バックのビルドアップに厳しいプレッシャーをかけなければならない。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top