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代表 6年前

“別の何か”と戦っていた日本代表。ポーランドの執念なき勝利。最低限の意地で終えた大舞台【ロシアW杯】

text by 本田千尋 photo by Getty Images

疑問が残るポーランドの勝利へのモチベーション

 その一方で、ポーランド代表は日本の守備組織には手を焼いた。[4-4-2]の布陣で構築されたブロックは、とてもコンパクトで秩序立っていた。前線からの効果的なプレッシングでボールを奪われ、ショートカウンターを食らう場面もあった。

 日本はエースFWレバンドフスキに対する注意も怠らない。序盤にグラルスキが柴崎からボールを奪ってカウンターを仕掛けたが、柴崎自身がゴール前まで戻って、レバンドフスキのフィニッシュを許さなかった。

 ナバウカ監督の決意とは裏腹に、ピッチ上の選手たちの勝利へのモチベーションがどれほどだったのかは、疑問が残る。敗退が決まっていては仕方がなかったかもしれないが、激しいプレッシングでボールを奪いに行くこともなければ、奪われたボールを積極的に奪い返しに行くこともなかった。

 もちろん日本代表と同様に先発のメンバーは大幅に変わっていたし、ボールを奪いに行こうにも、サムライブルーの正確なパス交換の前に二の足を踏んだところもあるだろう。しかし、そうしたことを差し引いたとしても、カウンターに本来の迫力と精度を欠くなど、ポーランド代表の攻撃に勝利への執念は無かった。

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