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日本代表 6年前

戦術は選手に丸投げ…? 代表監督候補クリンスマン氏の真の評価。情熱は日本でも通じるのか

西野朗監督のもと、ロシアワールドカップで16強入りを果たした日本代表だが、早くも次期監督候補が報じられている。ドイツ代表、バイエルン・ミュンヘン、米国代表の監督を歴任してきた同氏だが、母国ドイツでの真の評価はどのようなものなのだろうか? (文:本田千尋【ドイツ】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

抽象的な言葉で選手を鼓舞

ユルゲン・クリンスマン
次期日本代表監督候補のユルゲン・クリンスマン氏【写真:Getty Images】

 次期日本代表監督就任の報道も飛び出したユルゲン・クリンスマン氏。ドイツでは、何よりもまず「モチベーター」として評価される。

 同氏のオーストラリア代表監督就任の可能性を報じた昨年12月5日付の『シュトゥットガルター・ツァイトゥング』電子版は、記事中で次のように記している。

「クリンスマンについて、いずれにせよオーストラリア人たちは、チームの中に偉大なモチベーターを持つことになるだろう。彼のスピーチは伝説的だ。彼のインパルスはドイツサッカーの飛躍に決定的に貢献した」

 自国開催となった06年のワールドカップで、ドイツ代表を率いたクリンスマン氏。大会中のロッカールームでは、「ポルディ、胸を張れ」といったような抽象的な言葉を用いつつ、代表選手たちを鼓舞しては母国を3位に導いた。

 17年7月11日付の『シュピーゲル』電子版は「彼のインパルスはレーブの時代の基礎の一部である」と記している。ドイツ大会が終わると、ヘッドコーチのヨハヒム・レーブが新たに代表監督に就任。それからロシアの地で砕け散るまで、「レーブの時代」は栄光を享受した。ブラジル・ワールドカップで優勝したドイツ代表の礎を築いたのは、クリンスマン氏の「スピーチ」とする見解がある。

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