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代表 6年前

モドリッチが主導、カンテを舞台から締め出した55分間。クロアチア、“必然の敗戦”も得た勲章【ロシアW杯】

text by 青木務 photo by Getty Images

モドリッチがけん引、“黄金世代”

 大会最優秀選手(ゴールデンボール)となったモドリッチは、笑顔を見せることなくトロフィーを受け取った。優勝国からMVPが出ないのは今回で6大会連続だという。大会を通して最も輝いた個人に送られる賞なのだから、必ずしもチャンピオンチームから選出されるわけではないだろう。その意味でも、モドリッチの受賞は驚くべきことではない。

 曲者揃いのグループリーグD組を3連勝。苦もなく決勝トーナメントに進出を果たした。世界に衝撃を与えたアルゼンチン戦で、モドリッチは圧倒的な個でファインゴールを記録。ラキティッチらと共に優れた戦術眼を生かして相手の出方を見極め、自分たちに優位な戦いに持ち込んだ。

 鮮やかなグループリーグから一転、決勝トーナメントは地獄のロードとなったが、クロアチアは力強く相手をなぎ倒した。決勝でも先制を許す展開となったが焦ることなく一時は同点に追いついている。10番はほぼ毎試合、チームトップクラスの走行距離を記録するなど汗を流し続けた。それでいて警告は一度も受けなかった。“黄金世代”は“モドリッチ世代”とも呼ばれるが、このキャプテンが先頭に立っていたからこそファイナルまで来られたといっても過言ではない。

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