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日本代表 6年前

【識者の眼】森保ジャパン、世代交代へ選手入れ替えはあるか? 過去から読み解くアジア杯までのチーム作り

7月26日、新たな日本代表監督に森保一氏の就任が発表された。フィリップ・トルシエ氏以来となる五輪代表監督との兼任で、サムライブルーの世代交代と年代間の融合というミッションに取り組む。半年後に控えるアジアカップで王座を奪還することが最初の目標になるが、ワールドカップからわずかな期間でどのようにチーム作りを進めていくべきなのだろうか。過去の例から読み解く。(取材・文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images,Kenzaburo Matsuoka

森保ジャパン誕生。五輪代表と兼任で

森保一
26日に正式に日本代表監督に就任した森保一氏【写真:松岡健三郎】

 ロシアワールドカップでコーチとして西野朗監督を支えていた森保一氏が、日本代表の新監督に就任した。森保新監督は昨年10月から率いる東京五輪を目指す日本代表の指揮もそのまま継続することになり、五輪代表とA代表の兼任はフィリップ・トルシエ氏以来となる。

 日本代表のスタッフ人事、活動日程が重複しやすい五輪代表とA代表をいかに両立させるかなど就任会見で具体的に語られなかったことが多く、どこまで可能か不安の声もあがるが、ここからの4年間で最大のテーマになりうる“世代交代”をスムーズに実現していくための有効な手段になりうることは想定できる。

 ただし、A代表にとって当面の目標となる半年後のアジアカップに向けてA代表と五輪代表のメンバーが直接リンクするケースはあまり多くないだろう。もちろん、東京五輪世代の選手がいきなりA代表に抜てきされる可能性はあるが、「年代間の融合」を掲げる森保監督も就任会見のコメントから、実力や経験の差を無視してまで強引に世代交代を進めるつもりはないようだ。

 来月のアジア大会など五輪代表の強化を図る一方で、A代表は年内にホームで予定されている6度の親善試合で新チームの戦力を見極め、前回ベスト8で敗退したアジアカップでのタイトル奪回にチャレンジしていくことが求められる。そこで結果に加えてもう1つ大きな課題になるのが、リオデジャネイロ五輪世代をはじめとする中堅世代の主力化だ。

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