イニエスタが考える『最善』のプレーとは? 神戸に浸透し始めた天才のビジョンと価値観

 明治安田生命J1リーグ第18節・ヴィッセル神戸対柏レイソルの一戦が28日に行われ、アンドレス・イニエスタは加入後初のスタメン出場を果たした。82分間のプレーで違いを見せ、勝利に貢献している。(取材・文:青木務)

2018年07月29日(Sun)10時30分配信

text by 青木務 photo Getty Images
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イニエスタが味方に正しい選択肢を授けていた

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アンドレス・イニエスタが神戸で初めてスタメン出場した【写真:Getty Images】

 神戸の決勝点は美しかった。渡部博文がタイミングよく縦パスを送ると、抜け出した郷家友太の速いクロスを増山朝陽がゴール。速く正確な攻撃で、相手に手も足も出させなかった。

 デビュー2戦目にしてスタメン出場を果たしたアンドレス・イニエスタは、この得点に絡んでいない。しかし、82分間の出場で元スペイン代表MFは時間をコントロールし、味方に正しいプレーを選択させていた。自身がボールを持っていない時の振る舞いでチームを先導。局面ではなく全体を見た時、イニエスタが神戸に及ぼした影響は計り知れない。キックオフからの積み重ねが、得点の呼び水になったとも言える。

 前節は湘南ベルマーレのハイプレスによってビルドアップが覚束なかった神戸だが、この日は柏がそれほど前から来なかったこともあり比較的自由にボールを繋ぐことができた。前節と同様、イニエスタは無闇に最終ラインに降りない。だが、何もしていないわけではない。中盤から合図を送り、ボールを持った味方に選択肢を提示している。ある場面では手招きするジェスチャーで『後ろから持ち運んで来い』という意思を伝え、別のシーンでは右サイドを指差し、そちらへの展開を促した。

 試合中、イニエスタはそれらの動作を何度も繰り返している。それによって仲間たちはボールの動かし方を整理でき、余裕が生まれたことで得点場面のような勝負の縦パスも出るようになったのではないか。

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