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C・ロナウド退場でも勝つ。疑惑の判定も何のその…ユーベがCL初戦で深める組織力への自信

欧州の頂点を決めるチャンピオンズリーグ(CL)のグループリーグが開幕し、グループHの初戦でユベントスがバレンシアに2-0で勝利を収めた。この試合では序盤に疑惑の判定もあり、ユベントスにとって欠かせない選手が退場処分を受けた。それでも勝つ。それだけの強さが彼らにはあった。(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

C・ロナウド、まさかの退場

C・ロナウド
クリスティアーノ・ロナウドはCL初戦の序盤にまさかの退場処分となった【写真:Getty Images】

 現地時間19日に行われたバレンシア対ユベントス戦の29分。クリスティアーノ・ロナウドは、フェリックス・ブリッヒ主審からレッドカードを提示された。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場154試合目にして、初めてのことだった。

 左から攻め上がる味方の動きに呼応し、中央でフリーになろうとした時にバレンシアのDFジェイソン・ムリージョと接触。過剰に体を寄せて進路妨害を図ったムリージョに激昂し、頭の上に手を掛けたところ、一触即発の口論に発展。それを見た第4審判から主審に通知があり、退場の判定に至った。

 伊衛星テレビ局『スカイ・イタリア』は、「読唇術から『頭髪だ、頭髪を掴んだ』と審判員が話をしていたことが分かった」と報じている。競技規則第12条によるところの「乱暴な行為」による一発退場だ。ただ果たしてこれが「乱暴な行為」に値するものだったのかについては、疑いを示すものも多かった。

 競技規則の中では「意図的に相手競技者やその他の者に対して頭や顔を手や腕で打つ」行為を「その力が微小なものでない限り」乱暴な行為とみなされると記されている。もっとも当該のシーンを見る限りでは、ロナウドが力を込めてムリージョの頭髪を引っ張った様子はうかがえない。また相手も、痛がる様子も見せず起き上がった。

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