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好調キープのアーセナル、“お得意”エバートンを完封。試合のキーマンとなったあの司令塔

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

立て続けに2失点。ショックの大きかったエバートン

 0-0のまま前半は終了し、勝負は後半へ。エバートンがそろそろ点を取ってもおかしくはない状況だったが、先手を取ったのはホームチームだった。

 55分、左サイドでボールをキープしたアレクサンドル・ラカゼットが中央へパスを供給。一度は相手DFにクリアされたが、これを拾ったルーカス・トレイラがアーロン・ラムジーへボールを回すと、同選手は寄せに来たDFを華麗なターンでかわし、再びラカゼットへパス。背番号9はボールを右足に持ち変えると、ペナルティエリア左隅からカーブをかけながらシュートを放つ。これがポストに跳ね返りゴールイン。ほんの一瞬の出来事だった。

 さらにその4分後、右サイドを突破したメスト・エジルがドリブルしながらペナルティエリア内へ。この時点でエバートン守備陣は2人しか帰陣しておらず、逆にアーセナルは3人がゴール前に侵入。エジルはPKスポット付近に待っていたラムジーへパスを通すが、同選手はその瞬間に足を滑らせた。しかし、うまく体制を立て直し、なんとヒールパスで後方に待っていたピエール=エメリク・オーバメヤンへボールを供給。背番号14はそのまま落ち着いてゴールへ流し込み、2-0とアーセナルがリードを広げた(リプレイを確認するとオフサイドだが…)。

 立て続けに2点を失ったエバートンにとっては、良い流れを作れていただけに、ショックは大きかった。チェンク・トスンやベルナルジといった選手をピッチに送り出してより攻撃にアクセントを加えたが、この日のアーセナル守備陣はより一層集中した守りをみせ、簡単に隙を与えなかった。

 試合は2-0で終了。課題であった守備面でエバートンを上回ったアーセナルが、最終的に勝ち星を挙げたのである。これでアーセナルは昨季から続く対エバートン戦の連勝を3に伸ばした。やはり得意の相手だ。

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