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好調キープのアーセナル、“お得意”エバートンを完封。試合のキーマンとなったあの司令塔

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ラムジーの上手さが際立った試合

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やはりこの日の主役となったのはアーロン・ラムジーだ【写真:Getty Images】

 強力なエバートン攻撃陣を完封したアーセナルの守備陣は大きな評価を得るだろう。GKチェフは好セーブを連発し、守備に落ち着きを与えた。事実、エバートンの全9本のシュートの内、6本を同選手はセーブしているのだ。

 またCBのシュコドラン・ムスタフィはリシャルリソンの対応に手を焼くことはあったが、ソクラティスが負傷交代した後は自身が守備陣を統一した。交代でピッチに立ったホールディングもまた、うまく試合に入り込んで無失点に貢献している。

 この日のテーマであった「守備」で上回ったアーセナルは勝利にふさわしかっただろう。エバートンも決して負けるような内容ではなかったが、フィニッシュの部分で後手を踏んだ印象が強い。後半開始直後の失点も悔やまれるところだ。

 ここまでは守備陣に評価を与えてきたが、今度は攻撃陣に目を移してみたい。やはりこの日の主役となったのはラムジーだ。

 同選手はタッチ数30回、パス本数25本を記録しているが、この数字は決して良くはなく、むしろ少ない。ただ、前半にわずかなパスコースへボールを通し、ラカゼットの決定機を生んだシーンがあったように、ゴールに近いエリアにポジショニングし、味方選手の位置を常に確認しながら決定的なパスを送ることができるのが、ラムジーのストロングポイントである。2点目のシーンも、後方にいるオーバメヤンの位置をあらかじめ確認出来ていたからこそ生まれたものだったと言える。そうしたチャンスを生み出せるポイントをすぐさま見つけ出せるラムジーの上手さが際立った試合でもあった。

 エジルの調子があまり上がっておらず、ヘンリク・ムヒタリアンも負傷という状況で背番号8の活躍は今後、優勝争いに食い込みたいアーセナルにとっては必要不可欠なものとなってくるだろう。

(文:小澤祐作)

【了】

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