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Jリーグ 5年前

“ハマのデ・ブライネ”になった大津祐樹。マリノスでスタイル大改革、絶好調支える妻への感謝

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「嫁さん褒めてあげてください(笑)」

大津祐樹
大津祐樹にとって転機になったのは古巣の柏レイソル戦。ここから横浜F・マリノスの巻き返しが始まった【写真:Getty Images】

 それでもこの課題は「結婚」によって解消されつつあるかもしれない。マリノス加入後の大津は、1月のキャンプ中に「自分ではどうしようもない事故的な形で」左ひざを痛めた以外、長期間の離脱を要する負傷は一度もない。激しいコンタクトプレーを繰り返してもダメージを受けなくなり、コンディションの安定感は筋肉系の故障などに悩まされた柏レイソル時代から大きく変わった。

 その裏に、今年の元日に入籍したテレビ朝日の久冨慶子アナウンサーのサポートがあるのは大津本人も認めるところ。「本当に日頃のケアといい、食事だったり、嫁もすごく気を使ってくれているので、そういったところはすごく自分にとってプラスなところです。嫁さん褒めてあげておいてください(笑)」と笑顔が弾ける。

 栄養バランスのとれた朝食と夕食を作ってもらうことが、パフォーマンスにつながっていると以前にも話しており、先月29日の仙台戦後には、その試合を観戦していた久冨アナが数m先にいる取材エリアで「(奥さんは)一生懸命いつも自分のために尽くしてくれているので、そういった意味で勝つところを見せられるのは嬉しいこと。しっかり恩返しをしていきたい」と口にしていた。

 3連勝を経てマリノスはアンジェ・ポステコグルー監督が目指すスタイルに自信を深めている。大津も「本当に選手と監督のやりたいことがすごく一致している実感がある」と、長かった苦しみの末に光を見出していた。

「僕たちは監督が言うように、毎試合順位に囚われず、自分たちのいいサッカーをする。もちろんそれで勝利をとることが大事。サポーターもすごくいい応援をしてくれて、長い目で見てくれるというか、前半戦うまくいかなかった分もしっかりと今も支えてもらっている感じはあるので、僕らも本当に1試合1試合戦うだけだと思っています。毎試合勝てるように、『本当にマリノスのサッカーはいいんだ』とみんなに伝えられるように頑張りたい」

 リーグ戦は残り5試合。これまでは「残留争い」が叫ばれていたが、3連勝で「ACL出場権」が見えるところまできた。多くのチームが勝ち点40前後にひしめく状況で油断はできないが、あと1勝すれば勝ち点「41」となり残留はほぼ確実と言っていいだろう。

 このまま絶好調を維持していくためには勝ち続けていくことが絶対条件。チームのために身を粉にして戦う“ハマのデ・ブライネ”になった大津が戦術上のキーマンとして今季のスタイルの象徴となり、マリノスのラストスパートをけん引していく。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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