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日本代表 5年前

ベネズエラ守護神が見極めた「NMD+大迫」の真価。森保J攻撃陣が秘めるポテンシャル

text by 舩木渉 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

「NMD+大迫」のユニットとしての評価は…

 まずは中島、南野、堂安、大迫の4人で構成される攻撃ユニットが生み出す力の大きさがどれほどのものだったのかについて。ロモはスカウティングで指摘されていた以上に彼らの迫力を感じた様子だった。映像分析だけでは測りきれないものが、ピッチ上には必ずある。

「全員すごくスピードがあって、4人がどう連動していくか、4人ともが共通理解を持ってプレーしているのがわかった。それぞれのコンビネーションも素晴らしい。ビデオを見て分析した段階で、彼らのことをしっかりケアしなければいけないことは明らかだったんだ。監督も技術が高く、個性が際立った選手たちだと話していた。正直に言って、今日に関しては彼らの何かがダメだったと言うことはできない。素晴らしいパフォーマンスだったと思う。常に僕たちにとって脅威であり続けた」

 4人の誰かがゴールを決めたわけではない。酒井宏樹のゴールを演出した中島のアシストもフリーキックから。日本は特に前半、中盤の形を日本の布陣に合わせて変えてマンマーク気味に潰しにきて、ただブロックを作って引くのではなく、徐々に全体を押し上げながら圧力をかけてくるベネズエラに苦しめられた。

 序盤の11分にいくつかの守備面のミスが重なって、冨安健洋がゴールライン上でスーパークリアを見せなければ失点していたであろう場面もあった。ドゥダメル監督は「(日本の狙いを)無効にしよう、切ろうということを目指してプレーした」中で、「ベネズエラの前線の選手たちにロングボールを出す戦い方をすることで、日本にやり辛いプレーを強いる」狙いがあったことを明かしていた。確かに大きな展開で一気にゴール前まで持ち込まれる戦いは、日本としても苦手としているところ。前半はベネズエラの狙いの方がハマっていた。

 逆に日本がビッグチャンスを作る時、必ずと言っていいほど大迫が絡んでいた。ロモは日本に欠かせないストライカーについて「スピードもあったし、動きの質が素晴らしい。僕たちのDFもコンパクトに、堅く守ろうとしていたけど、うまくかわされてしまった。今日も何度も僕たちのゴール前に入ってきていたし、もっと決められてもおかしくなかったと思う」と評した。

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