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日本代表 5年前

森保Jに必要な中島・南野・堂安に頼らない得点パターンの構築。攻撃停滞の解決策とは?

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

新たなアイディアを見つけるべきか

 それは堂安や中島も同じことが言える。アジアに行けば相手に徹底マークされ、ガチガチに守られるため、ベネズエラ戦以上に苦しくなる。2列目の3人が得点に絡めなくなったらゴール欠乏症に陥るというのでは、1月のアジアカップで8年ぶり5度目の頂点は狙えない。彼らへのゴール依存度の高さを解消することは至上命題だ。

 実際、2015年のアジアカップでも、本田圭佑・岡崎慎司・香川真司の「ビッグ3」がゴールしていたグループリーグは順当に勝ち上がったが、決勝トーナメントに入った途端、壁にぶち当たり、準々決勝でUAE相手に苦杯をなめた。

「ちょっとうまくいかない状況が2、3試合続くと一気にチームが調子を落とす可能性がある。少しでも波を少なくすることがいいチームの基準になる」と同大会経験者の吉田も強調していたが、ここで立て直しを図ることは非常に重要だ。

 1トップの大迫勇也を含めた前線4枚の動き自体は決して悪くなかった。それは彼自身も話してていること。ただ、大迫が献身的に体を張ってボールを収め、3人が縦への推進力を生かしてゴールに走るという単純なプレーだけでは限界がある。

 だからこそ、もっと4人がポジションチェンジをしたり、相手のマークをはがすような工夫を凝らしていくことが求められる。南野も「僕が中盤の内側でボールを受けるのが少し窮屈になっていたんで、もっとサイドに流動的に流れてもよかった。(堂安)律や(中島)翔哉とポジションを変わったりすることもあっていい」と話したが、そういう多彩なアイディアをどんどん出していい。

 ベネズエラ戦では大迫がロシアワールドカップの時とは比べ物にならないほど左右に大きく動いて起点になり、中央のスペースを空けようとしていたが、周りも同じ画を描きながらより一層連動性を高められるよう努力していくべきだ。

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