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ついに現れた左利きの左SB、山中亮輔ってどんな選手? 不安要素を上回るその魅力

text by 編集部 photo by Getty Images

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山中亮輔ってどんな選手?【写真:Getty Images】

【日本 4-0 キルギス キリンチャレンジカップ2018】

 日本代表は20日、キリンチャレンジカップ2018でキルギス代表と対戦し4-0と勝利した。

 ベネズエラ戦のGKシュミット・ダニエルに続き、DF山中亮輔が日本代表デビューを果たした。金髪のレフティーが輝いたのは試合開始早々の2分。敵陣を駆け上がると、杉本健勇のラストパスを受ける。コンパクトな振りで左足にボールをミートさせると、電光石火の先制点を決めてみせた。

 対戦相手との実力差もあり、日本は攻撃に時間を費やした。そのなかで山中はクロスを供給し、ドリブルで突破を図っている。デビュー戦としては上々のパフォーマンスだろう。

 1993年4月20日生まれの25歳。小学生時代から柏レイソルのアカデミーで育ち、2012年にトップチームに昇格した。リオ五輪での活躍も期待されたが、負傷もあって本大会のメンバーに名を連ねることはできなかった。2017年に横浜F・マリノスに移籍すると、今季はアンジェ・ポステコグルー監督の下で“偽サイドバック”として活躍。左足のキックはチームの武器となっている。

 日本代表にとって待望の、左利きの左サイドバックだ。同ポジションは約10年に渡って長友佑都の定位置となっている。ハードなマークで相手の行く手を阻み、無尽蔵のスタミナを武器にタッチライン際のアップダウンを繰り返す。右利きながら左足キックの質も問題ない。クラブレベルではイタリアの名門・インテルでもプレーするなど、名実共に日本の中心だった。今シリーズは不参加だったが、実力は依然としてトップレベルだ。

 とはいえ、長友も今年32歳。まだまだ日本代表をけん引するだけの力はあるが、“後継者”が出てこなければならない。

 その意味でも、山中は重宝すべきプレーヤーだ。左利きということでプレーの際のアングル確保もスムーズ。中央方向に持ち直す必要がないため無駄なボールロストのリスクも減る。もちろん、未知数な部分はある。キルギス戦では守備の機会がほとんどなく、押し込まれた状況を経験していない。元々、攻撃に特徴のある選手だけに、国際舞台においてディフェンス面でどこまで貢献できるかは不安要素ではある。

 それでも、“ウィークポイント”を差し引いても山中は魅力的な選手だ。横浜FMの今季残りの公式戦はJ1の2試合のみ。それらのゲームで自身の力を示し、来年1月のアジアカップに臨む森保ジャパンのメンバーに食い込みたいところだ。

【了】

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