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日本代表 5年前

森保J、早くも緊急事態!? ボランチに離脱者続出…柴崎岳に求められる大黒柱の自覚

text by 元川悦子 photo by Getty Images

優勝を見据えた戦いの中で

柴崎岳
柴崎岳にはこれまで以上に中心選手としての責任感が求められる【写真:Getty Images】

 大会が始まってからも松井大輔と香川真司も負傷で次々チームを去り、戦力的に相当厳しくなりながら優勝まで辿り着いた。それくらいの総合力と選手層がなければ、24ヶ国への出場国拡大で頂点まで7試合を戦わねばならない今大会を乗り切ることは不可能なのだ。

「こういう時にチームを引き締められるかが大事。今、緊張感が走ることはいいことだと思います」と2度のワールドカップを経験している酒井宏樹は現段階でのアクシデントをむしろプラスに捉えようとしている。

 アジアカップは1ヶ月にわたる長丁場の大会。ブラジルやフランスといった強豪国がワールドカップを戦う際も決勝トーナメント以降にピークを持っていく傾向があるが、アジアにおいて強国である日本も同様のアプローチが求められてくる。今、多少の負傷者が出たところで動じていてはならない。

 初戦・トルクメニスタン戦までは4日と与えられた時間は決して多くないが、グループリーグが終わるまでという視点で見れば、日本代表には2週間近い猶予がある。そこまでに森保監督が戦える集団のベースを構築し、選手たちも細かい部分をすり合わせていければ、ボランチ問題のみならず、先々に生じる困難もきっと解決できるはず。ロシアで3度目のベスト16を経験し、次こそはベスト8の壁を破ろうとしている日本はそのくらいタフで逞しいチームになる必要がある。

 今回の事態に関しては、まず柴崎と青山が中心となって現状打開へのアクションを起こしてほしい。特に「自分の立ち位置はこれまでとは違う」と言い切る柴崎には、けん引役として確固たる仕事と働きが強く期待される。

 振り返ってみれば、2010年の南アフリカワールドカップでキャプテンマークを巻いた当時の長谷部誠は26歳。今の柴崎と同じ年齢だ。それを踏まえても、背番号7は中盤のリーダーとしての強い自覚と責任感を今大会で見せるべきだ。

(取材・文:元川悦子【UAE】)

【了】

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