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日本代表 5年前

アジアカップで証明された実力格差の縮小。日本代表が勝ち続けるために必要なこと

text by 舩木渉 photo by Getty Images

オマーンの弱点を突くには?

 森保監督も、トルクメニスタン戦に苦戦したことで一層警戒心を強めている。

「試合前のゲームプランと実際の試合内容が我々の思い通りになればそれに越したことはないですけど、そう簡単なことはない。しっかり気を引き締めて試合に臨まなければいけないと思いますし、我慢強く厳しい試合を覚悟して準備したいと思います」

 今大会、日本代表のみならずUAE代表や中国代表、イラン代表なども負傷者を抱えながらの戦いで、コンディション調整の面で苦戦を強いられている。森保ジャパンはトルクメニスタン戦に先発フル出場させたFW大迫勇也の右でん部痛が再発してしまい、オマーン戦の出場が困難に。GK東口順昭も腰に痛みを訴えるなど、ここにきて「準備」の段階で再びアクシデントが続出している。

 すでにチームを離脱した中島翔哉や守田英正、招集を辞退した浅野拓磨なども含めると、負傷者の数はかなり多い。アジアカップは決勝まで最大7試合を約1ヶ月の短期間でこなす非常に厳しい大会だが、2試合目にして総力戦だ。

 おそらく大迫の代わりに出場するであろう北川航也や武藤嘉紀に対し、森保監督は「得点を奪うこと、得点に絡むこと、攻撃の選手としての役割を出してもらいたい」と期待すると同時に、攻守全体にわたる貢献も求めていた。

 やはり相手を押し込める時間が長くなると想定できるだけに、ボールを失っても前線からの守備ですぐに奪い返し、波状攻撃でゴールを狙いたい。そこで鍵になるのが北川や武藤が任されると思われるストライカーのポジションからの連動したプレッシングになる。

 そしてオマーンの弱点の1つが、大きなサイドチェンジへの対処だ。まさに日本代表がトルクメニスタン戦の後半に3得点を奪ったような、シンプルなサイドチェンジで選手間を広げられたり、動かされることを嫌う。

 昨年末のオーストラリア戦では相手の最終ラインや中盤の選手からサイドへの大きな展開のパスが出た後、そこでの1対1の攻防で後手を踏んでいくつも決定機を作られた。実際にゴールも生まれた。守備時の連動性に問題を抱え、クロスに対してボールウォッチャーになってしまう弱点を積極的に突いていきたい。

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